11月30日の米国マーケットサマリー:中銀の協調で株高・国債安

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3438 1.3317 ドル/円 77.53 77.93 ユーロ/円 104.18 103.77

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 12,044.70 +489.07 +4.2% S&P500種 1,246.93 +51.74 +4.3% ナスダック総合指数 2,620.34 +104.83 +4.2%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .25% +0.00 米国債10年物 2.07% +.08 米国債30年物 3.06% +.10

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金(ドル/オンス) 1,750.30 +31.40 +1.83% 原油先物 (ドル/バレル) 100.32 +.53 +.53%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではユーロがドルに対し1カ月で最大 の上げ。欧州債務危機で世界の経済成長が脅かされる中、米連邦準備 制度理事会(FRB)と世界の主要5中央銀行がドルスワップ協定に よるドル資金供給の金利引き下げで合意したことに反応した。

ドルは主要16通貨すべてに対して下落した。円はドルを除く通 貨に対して下げた。ドルスワップ金利引き下げの発表を受けて高利回 り通貨の需要が高まった。この日はまた、中国人民銀行が2008年以 来で初めて市中銀行に求める預金準備率の引き下げを決めた。オース トラリア・ドルと南アフリカ・ランドが上昇している。

ドイツ銀行のG10為替ストラテジー世界責任者、アラン・ラス キン氏(ニューヨーク在勤)は「リスク選好の動きが強く出ている」 と指摘。「中銀の措置は、資金調達問題に対応するものだ。だがもし この措置で終わりということであれば市場は再び急速に幻滅してしま う。より踏み込んだ追加措置が必要になる」と続けた。

ニューヨーク時間午後2時36分現在、ユーロはドルに対し

0.9%高の1ユーロ=1.3440ドル。円は対ユーロで0.3%下げ1 ユーロ=104円07銭。対ドルは0.6%上昇の1ドル=77円44 銭。

ユーロは対ドルで一時1.6%高と、10月27日以降で最大の上 げとなった。

◎米国株式市場

米株式相場は大幅上昇。主要株価指数は8月以来の最大の上げ。 欧州の債務危機が世界の経済成長を脅かす中、主要国中央銀行による 協調行動が好感された。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種 株価指数は前日比4.3%高の1245.99。S&P500種は3日間で

7.6%値上がりした。

シカゴのカストディー (証券管理)銀行、ノーザン・トラス トのジェームズ・マクドナルド最高投資ストラテジストは、「主要 国中銀はエンジンに潤滑油を入れた」と述べ、「政策当局者が行動 を起こさないのではとの不安感から、株価は相当な圧力を受けてい た。今回の具体的な行動が最終的な解決策ではないが、中銀が大規 模な金融システム変動の阻止に意欲的なことが示唆された」と続けた。

この日の上げでS&P500種の月間ベースの下げは0.6%まで 縮小した。産業別10指数の中では金融株の下げが最もきつい。欧 州の債務危機が世界的な経済成長を損ねるとの懸念が背景にある。

◎米国債市場

米国債相場は下落。欧州のソブリン危機に対応するため、米連邦 準備制度理事会(FRB)と5カ国の中央銀行は欧州各国の銀行に対 する緊急ドル資金の調達コスト引き下げで合意した。これを受けて 10年債利回りは2週間ぶり水準に上昇した。

2年物金利スワップスプレッドは約3週間ぶりの水準に縮小した。 銀行の資金調達懸念が和らいだことが背景にある。11月の米民間雇 用者数が予想を上回る増加を示したことを受け、米国債は下げ足を速 めた。12月2日には米労働省の雇用統計発表を控えている。FRB の30日の声明によれば、カナダ銀行、イングランド銀行(英中銀)、 日本銀行、欧州中央銀行(ECB)、スイス国立銀行(SNB)がス ワップ金利引き下げに合意した。

キャンター・フィッツジェラルドの金利責任者、ブライアン・エ ドモンズ氏(ニューヨーク在勤)は、主要国中央銀行の協調行動につ いて、「欧州で起こっている貸し渋りの一部はこれで解消するだろう」 としながらも、「確かに大きな意味のある行動だが、全てが解決され るとは思わない」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後2時41分現在、指標となる10年債利回りは前日比6ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.05%。同年債(表 面利率2%、2021年11月償還)価格は18/32下げて99 16/32。利回りは一時2.11%と、11月14日以来の水準に達する 場面も見られた。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は3営業日続伸。3週間ぶりの大幅高と なった。欧州財政危機への対応の一環として世界の主要中央銀行がド ル資金供給の金利を引き下げたことで、インフレヘッジとしての金の 需要が拡大した。

米連邦準備制度理事会(FRB)と主要5中銀の協調行動を受け て、この日は株式や商品が大幅に上昇した。中国は市中銀行に求める 預金準備率の引き下げを決めた。欧州債務危機が輸出と成長を脅かす 中で、2008年以来で初めての引き下げに踏み切った。

オプションセラーズ・ドット・コム(フロリダ州)の創業者、ジ ェームズ・コーディアー氏は電話インタビューで「中国はインフレを 懸念するよりも、むしろ成長に重点を置いている」と指摘。「各中銀 による行動は金にとって非常にポジティブだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前日比1.8%高の1オンス=1750.30ドルで終了。中心 限月としては7日以来の大幅上昇となった。

◎NY原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は4営業日続伸。2週間ぶりの高値と なった。米連邦準備制度理事会(FRB)など主要6中央銀行が流動 性拡大と欧州債務危機の緩和を目指し協調行動に出たことや、米民間 部門の雇用者数が予想を上回ったことが背景。

FRBと欧州中央銀行(ECB)、カナダ銀行、イングランド銀 行、日本銀行、スイス国立銀行は、欧州の銀行向けの緊急ドル資金供 給の金利を引き下げた。米オートマティック・データ・プロセッシン グ(ADP)エンプロイヤー・サービシズの発表によると、11月の 米民間部門の雇用者数は前月比で20万6000人増加した。ブルーム バーグがまとめたエコノミストの予想中央値は13万人の増加だった。

BNPパリバ・プライム・ブローカレッジ(ニューヨーク)のデ ィレクター、トム・ベンツ氏は「欧州の銀行を支えるための協調介入 の発表で相場は押し上げられた」と指摘。「欧州を覆う暗雲が原油相 場の上値を抑えてきたため、同地域の情勢安定につながるものは何で あれ原油には好ましい」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物1月限は前日 比57セント(0.57%)高の1バレル=100.36ドルで終了。終値 では16日以来の高値となった。月間では7.7%、年初からは

9.8%それぞれ上昇している。

ニューヨーク・ニューズルーム   1-212- 617-3007

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor:Tsuneo Yamahiro 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE