米国債:下落、主要中銀の欧州支援策が手掛かり-10年債2.07%

米国債相場は下落。欧州のソ ブリン危機に対応するため、米連邦準備制度理事会(FRB)と5 カ国の中央銀行は欧州各国の銀行に対する緊急ドル資金の調達コス ト引き下げで合意した。これを受けて10年債利回りは2週間ぶり 水準に上昇した。

2年物金利スワップスプレッドは約3週間ぶりの水準に縮小し た。銀行の資金調達懸念が和らいだことが背景にある。11月の米 民間雇用者数が予想を上回る増加を示したことを受け、米国債は下 げ足を速めた。12月2日には米労働省の雇用統計発表を控えてい る。FRBの30日の声明によれば、カナダ銀行、イングランド銀 行(英中銀)、日本銀行、欧州中央銀行(ECB)、スイス国立銀 行(SNB)がドルスワップ協定によるドル資金供給の金利引き下 げに合意した。

キャンター・フィッツジェラルドの金利責任者、ブライアン・ エドモンズ氏(ニューヨーク在勤)は、主要国中央銀行の協調行動 について、「欧州で起こっている貸し渋りの一部はこれで解消する だろう」としながらも、「確かに大きな意味のある行動だが、全て が解決されるとは思わない」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク 時間午後3時25分現在、指標となる10年債利回りは前日比8ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.07%。同年 債(表面利率2%、2021年11月償還)価格は23/32下げて99 11/32。利回りは一時2.11%と、11月14日以来の水準に達す る場面も見られた。

利回り格差

2年債と10年債の利回り格差は8ポイント拡大して1.82ポ イントと、11月14日以降の最大となった。

信用リスクの尺度とされる2年物金利スワップスプレッドは 12bp余り縮小して40bpと、11月10日以降の最小。

FRBの声明によれば、ドル資金調達の新たな金利はドル建て オーバーナイト・インデックス・スワップ(翌日物無担保コールレ ートと固定金利を交換する金利、OIS)に50bp上乗せする。 従来は100bp上乗せだった。協定の期間は2013年2月1日まで 延長された。

声明は「この行動の目的は金融市場の緊張を緩和し、それに よって家計や企業への与信収縮の影響を和らげ、経済活動を促す ことだ」と説明している。

ドル調達コスト

欧州首脳陣が救済基金の拡充について、当初計画された規模に 達しなかったと述べたことを背景に、欧州銀行のドル調達コストは 3年ぶり水準に上昇。これを受けて各国中銀が協調行動をとった。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMC O)のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)はブルーム バーグラジオのインタビューで、「中銀は銀行システムの機能に何 らかの懸念を見いだしており、うまくいけばその緊迫を和らげるた めに先手を打ったことになる」と述べた。さらに、「リスク資産市 場にとって短期的にプラスの影響が出ることは疑う余地がない」と 指摘した。

FRBが30日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック) によると、10月から11月上旬にかけて製造業と消費者支出を中心 に経済は総じて緩やかに拡大した。

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロ セッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズがこの日発表し た11月の米民間部門の雇用者数は前月比で20万6000人増加し た。

原題:Treasuries Fall as Fed Coordinates to Cut

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