日銀など6中銀が協調策-白川総裁「緊張度高めていることに対応」

日本銀行は11月30日夜、金融 政策決定会合を開き、米欧など5カ国の中央銀行との間で米ドル資金 供給などの協調対応策を取ることを決定した。白川方明総裁は会合後 の会見で「欧州の政府債務問題を背景に国際金融市場が緊張度を高め ていることに対応した」と述べた上で、「各国中央銀行が協調して行 動することで市場の安心感につながる」と述べた。

日銀のほか、カナダ銀行、英イングランド銀行、欧州中央銀行 (ECB)、米連邦準備制度理事会(FRB)、スイス国民銀行の6 カ国の中央銀行は①米ドル資金供給オペの適用金利を0.5%引き下げ る②米連銀との米ドルスワップ取り決めの期限を6カ月延長し2013 年2月1日とする③米ドル以外の資金供給オペに備えた多角的スワッ プ取り決めを締結する-ことで合意した。

白川総裁は「わが国の金融環境は緩和の動きが続いており、わが 国金融機関の外貨資金繰り動向をみても問題は生じていない」としな がらも、「今後、国際金融資本市場が一段と不安定化した場合、その 影響がわが国にも及ぶ可能性がある」と言明。「今後とも各国中銀と 緊密に協力しつつ、金融市場の安定確保に努めていく方針だ」と語っ た。

白川総裁は米ドル資金供給オペの金利引き下げについて「従来の レートの決め方はOIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ) レートに1%の金利を上乗せしていたが、金融機関はそういうレート で中央銀行からドルを調達すると、相当に信用度が低くドルが調達で きない状態にあると市場から受け止められ、そのことを恐れてドルを 借りにくくなっているという声がある」と述べた。

その上で「本来、このドル資金供給が安全弁として作用するはず のものが機能していない面がある。1%を0.5%に下げると、もう少 し借りやすくなってくる」との見方を示した。日銀は同日開いた金融 政策決定会合で、政策金利については「0-0.1%」に据え置くこと を全員一致で決定した。

多角的スワップ取り決め

多角的スワップ取り決めについては「不測の事態への対応措置と して、スワップ取り決めの対象をドルだけでなくカナダ・ドル、英国 ポンド、ユーロ、スイス・フランに拡大し、6つの中央銀行間でスワ ップ取り決めを締結した」と説明。「他の5つの中央銀行が必要とす る場合に円資金を供給することが可能となるとともに、日銀が必要と する場合に現行の米ドルを含む5通貨の調達が可能となる」と述べた。

白川総裁は「国際金融市場では欧州ソブリン問題を背景に緊張度 の高い状態にあり、こうした事態への対応をめぐって中央銀行間で議 論を行ってきた」と表明。「こうした議論の結果、各国中央銀行は協 力して国際金融システムに対する流動性の供給能力を拡充し、国際金 融市場の緊張度の高い状態に対処することが必要という判断に至った」 と述べた。

白川総裁は欧州の政府債務問題について「流動性の対策だけで解 決するという問題ではない。流動性の供給はあくまでも時間を買う政 策であり、時間を買っている間に経済、財政の構造改革にしっかり取 り組まないとこの問題は解決しない」と指摘。「そういう意味で、 12月上旬の欧州連合(EU)のサミットもそうだが、確実に経済、 財政の構造改革に取り組んでいくことを強く期待している」と述べた。

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