今日の国内市況:株式は反落・債券先物7日ぶり反発、ユーロ下落

東京株式相場は反落。欧米の景気 や金融システムに対する不透明感が続く中、中国株の急落も警戒され、 電機や機械といった輸出関連、ガラス・土石製品など素材関連株が売 られた。米格付け会社が格付け見通しを引き下げた三井住友フィナン シャルグループなど金融株の一角、同様に格下げ方向で見直しの対象 とされた日本郵船を中心に海運株も安い。

TOPIXの終値は前日比1.22ポイント(0.2%)安の728.46、 日経平均株価は同43円21銭(0.5%)安の8434円61銭。東証1部の 売買高は概算で17億6243万株、売買代金は1兆629億円と12営業日 ぶりに1兆円を回復した。値上がり銘柄数689、値下がり833。

29日の欧州では、イタリア政府が実施した2014年償還債35億ユ ーロの利回りが7.89%となるなど、一連の国債入札利回りが高水準で、 同国債務不安の根強さを印象付けた。米国では、全米20都市を対象に した9月の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・ シラー住宅価格指数が前年同月比で3.6%低下。ブルームバーグがま とめた予想中央値(3%)を下回った。

投資家の間で欧州問題、米景気に対する不安が広がる中、米格付 け会社のS&Pは29日、世界の大手金融機関数十行を対象とする基準 変更を踏まえ、バンク・オブ・アメリカとゴールドマン・サックス・ グループ、シティグループの格付けを「A」から「A-」に下げた。 邦銀については三井住友F、みずほフィナンシャルグループの格付け 見通しを「ネガティブ」に引き下げた。

この日の日経平均は、朝方から輸出や素材、金融株を中心に売り が先行。前週末に年初来安値8160円1銭を付けた後は、値ごろ感から 今週初からの2日で3.9%上昇していた。午後には一時、116円安まで 下げ幅を拡大。中国人民銀行のアドバイザーが、同国の金融引き締め が来年中も続くとの見解を示唆したことなどで、上海総合指数や香港 ハンセン指数などアジア株が全面安となったことが嫌気された。取引 終盤にかけては下げ渋った。

債券先物、7日ぶり反発

債券先物相場は7営業日ぶりに反発。あすの10年国債入札を前に 長期や超長期債に売り圧力が強まる場面もあったが、国内株価の反落 などが下支え要因となり、4カ月ぶり安値圏から上昇して取引を終え た。

東京先物市場で中心限月12月物は、前日比2銭安で取引開始。直 後から水準を切り上げ10銭高まで上昇したが、徐々に売りが優勢にな り、一時は141円68銭と日中では7月29日(141円54銭)以来の安 値を付けた。午後に入ると、株安を受けて141円80銭台に乗せる場面 があったが、再び141円70銭を割り込んだ。引けにかけて持ち直し、 結局4銭高の141円77銭で終了。先物は前日まで約5カ月ぶりに6日 続落となっていた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは前日比1ベーシスポイント(bp)低い1.055%で始まった後、低下 幅を縮め、午前の終了前から横ばいの1.065%で推移。午後2時半過 ぎには0.5bp高い1.07%に上昇し、9月2日以来の高水準を付けた。 その後は1.065-1.07%で推移。

20年物の131回債利回りは1bp低い1.815%。一時は0.5bp高い

1.83%と、新発20年債として9月初め以来の高水準を付けた。5年物 の100回債利回りは1bp低い0.37%。約1カ月ぶりの0.3%台後半で は買いが優勢となった。

財務省はあす12月1日、10年利付国債(12月発行)の入札を実施 する。前日の入札前取引では1.10%付近で推移した。このため、新発 債の表面利率(クーポン)は前回債より0.1ポイント高い1.1%とな る見込み。発行額は2兆2000億円程度。

日本銀行の西村清彦副総裁は30日午後、京都市内で会見し、追加 的な金融緩和の必要性について「必要なら適切に遂行することが一番 重要だ」との見方を示した。

一方、R&I(格付投資情報センター)は30日、日本の発行体格 付け「AAA」を格下げ方向のレーティング・モニターに指定したと 発表した。もっとも、債券先物市場の夜間取引では目立った反応は見 られておらず、12月物は141円80銭台と通常取引終値と横ばい圏で 推移している。

ユーロ下落、EFSF詳細不明

東京外国為替市場では、ユーロが午後の取引で下げた。ユーロ圏 財務相会合(ユーログループ)が欧州金融安定ファシリティー(EF SF)の支援能力拡大で合意したが、具体化に関しては不透明感がく すぶることから、一段のユーロ買いにはつながらなかった。

ユーロ・ドル相場は午前に一時1ユーロ=1.3359ドルまで上昇し たが、午後にかけて軟化。終盤にはユーロ売りが活発化し、午後4時 過ぎには1.3259ドルまで下押された。

一方、ドル・円相場は決済集中日にあたることから、輸入企業を 中心としたドル買い需要が観測され、午前に一時1ドル=78円11銭 までドル高・円安が進行。ただ、輸出企業のドル売り需要も散見され たといい、午後には77円87銭までドルが下押される場面もあった。 午後4時5分現在は77円92銭付近。

ユーログループは29日、高債務国の救済基金であるEFSFの能 力拡充を承認。ユーログループのユンケル議長(ルクセンブルク首相 兼国庫相)は、国際通貨基金(IMF)とEFSFとの「一段と緊密 な協力」を可能にするため、IMFの資金基盤の強化に取り組むこと でも合意したと説明した。

一方で、債務危機の拡大阻止のため、どの程度の支援能力の結集 を目指すかについて、具体的な目標設定は見合わせており、オランダ のデラーヘル財務相はEFSFのレバレッジは恐らく2.5倍程度に過 ぎないだろうとの見方を示した。

イタリア政府は29日に国債入札を実施し、計75億ユーロを発行。 落札利回りは全般的に前回入札時から上昇したが、2014年償還債と22 年償還債の応札倍率は前回を上回った。30日は欧州連合(EU)財務 相会合が予定されているほか、12月1日にはスペインとフランスで入 札を控えている。

一方、欧州中央銀行(ECB)は29日、国債購入によって生じた 追加流動性を完全に吸収することができなかったと発表。ユーロ圏の 銀行間で緊張が高まっていることが裏付けられた。

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