英ロンドンに本拠を置く独立系の マクロリサーチ会社、アブソルート・ストラテジー・リサーチ(AS R)では、2012年に欧州がリセッション(景気後退)に陥ることは確 実で、その影響からフランスの国債が格下げされる可能性は50%と見 ている。

ASRのマネージング・ディレクター、デビッド・バウワーズ氏 がこのほど、ブルームバーグとのインタビューでこうした見解を述べ た。バウワーズ氏は、緊縮財政や経済現況に比べた過度な金融引き締 めから、イタリアやスペインは12年に必ずリセッションになると予想 されるほか、ドイツも成長率がマイナスに陥る可能性があると指摘。 欧州のリセッション確率は100%と予測した。

同氏は、ユーロ圏の来年の実質国内総生産(GDP)成長率をマ イナス2%と予想している。経済協力開発機構(OECD)は11月 28日、ユーロ圏の成長率予想を2パーセントから0.2パーセントへ引 き下げたが、それをさらに下回る景気後退を見込む。

欧州がリセッションに陥った場合の「最大のリスクは、フランス のトリプルAからの格下げだ」とバウワーズ氏は強調。同国が格下げ される確率は12年に50%に達するとし、早ければ同年1-3月の格 下げもあり得ると言う。

欧州危機の深刻化を防ぐには、世界的な経済成長の力強い上昇が 必要だとバウワーズ氏は指摘し、「特効薬としては欧州中央銀行(EC B)の金融政策のスタンスを変えることが求められる」とした。11月 初旬のECBの政策金利0.25%の引き下げは始まりで、「少なくとも さらに0.5%は引き下げる余地がある」と見ている。

70年代の情勢に類似、ユーロ解体は否定的

同氏は、現在の経済状況はオイルショックやブレトンウッズ体制 が崩壊し、金融市場が今ほど発展していなかった1970年代のように、 政治リスクが世界の動きを決めていると分析しており、「世界はとても 不確かだ」とも話した。

一方で、ユーロ圏の解体については否定的な見解だ。「ユーロ圏諸 国のユーロに対する政治的なコミットメントを過小評価してはならな い。ユーロの失敗は、欧州の失敗を意味するからだ」と言う。ただ、 フランスの格下げは、ドイツへの負担が拡大するほか、欧州連合(E U)発足から続いてきた独仏の対等関係を脅かし、欧州が直面する問 題をさらに困難にするとの認識を示した。

バウワーズ氏は、米メリルリンチでグローバル投資ストラテジス トを11年務めた後、イアン・ハーネット氏と共同で06年にASRを 設立。現在はグローバルストラテジーを担当している。機関投資家か らの投票で決まる11年のトムソンロイター・エクステルサーベイで、 バウワーズ氏は投資銀行を含めた世界の全マクロ戦略部門アナリスト で5位、独立系では1位の評価を得た。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE