鉱工業生産は2カ月ぶりプラス、予想上回る-タイ洪水で足踏みも

10月の鉱工業生産指数は、2カ月 ぶりに上昇に転じ、伸び率は事前予想も上回った。自動車や一般機械 などが増加に寄与した。先行きはタイの洪水被害による減速が予想さ れているものの、国内での代替生産の増加などによって一時的な影響 にとどまる見通し。

経済産業省が30日発表した鉱工業指数速報(季節調整済み)によ ると、生産指数は前月比2.4%上昇の92.7となった。前年同月比では

0.4%上昇。ブルームバーグ調査の事前予想中央値はそれぞれ1.1%上 昇、1.0%低下だった。前月比は、先月時点の生産予測調査(同2.3% 上昇)もやや上回った。

生産の上昇に寄与した業種は、輸送機械工業(前月比11.6%増) のほか、一般機械工業(同3.1%増)、化学工業(同2.3%増)など。 2カ月ぶりに増加した輸送機械工業は欧米や国内向けの普通乗用車や 小型乗用車、タイ洪水の影響を受けて代替生産を行った自動車部品も 好調だった。

一方で、電子部品・デバイス工業は前月比5.5%減と2カ月連続 で減少した。アジアや国内向けのパソコンや携帯電話用半導体集積回 路(メモリー)や家電用トランジスタが大幅に減少。情報通信機械工 業もタイ洪水による部品不足によってデジタルカメラの生産が落ち込 み、同6.0%の減少となった。

大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストは統計発表後のリポート で、海外経済の減速やタイで発生した洪水の影響で「生産は短期的に 横ばい圏での推移となる」と予想。ただ、「タイの大洪水による生産下 振れは自然災害という一過性のショック」とし、「生産の最大のリスク 要因は海外経済の減速に伴う工業製品の需要鈍化」との見方を示した。

11月予測指数はマイナスに

10月の出荷指数は前月比0.6%上昇し、在庫指数は同0.8%のプ ラスとなった。経産省は生産の基調について「総じて見れば生産は横 ばい傾向にある」との判断を示した。先行きの生産動向を示す製造工 業生産予測指数は11月が同0.1%低下、12月は同2.7%上昇が見込ま れている。

11月の予測指数の低下に寄与したのは鉄鋼業と情報通信機械工 業の2業種で、いずれもタイ洪水の影響を理由に挙げている。一方で、 同工業は国内での代替生産により、12月には大幅な反動増を想定。予 測指数が達成された場合の10-12月期の生産指数は1.2%上昇のプラ スが見込まれる。

マネックス証券の村上尚己チーフエコノミストは発表後のリポー トで、「世界経済減速の影響は顕在化していないが、欧州の景気後退が 世界的に波及すれば生産指数が頭打ちになるリスクがある」との見方 を示している。

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