日本株反落、欧米や中国警戒で輸出安い-格付け懸念し金融、海運も

東京株式相場は反落。欧米の景気 や金融システムに対する不透明感が続く中、中国株の急落も警戒され、 電機や機械といった輸出関連、ガラス・土石製品など素材関連株が売 られた。米格付け会社が格付け見通しを引き下げた三井住友フィナン シャルグループなど金融株の一角、同様に格下げ方向で見直しの対象 とされた日本郵船を中心に海運株も安い。

TOPIXの終値は前日比1.22ポイント(0.2%)安の728.46、 日経平均株価は同43円21銭(0.5%)安の8434円61銭。

しんきんアセットマネジメント運用部の山下智巳主任ファンドマ ネジャーは、ドル・ユーロ相場の動きを見る限り、「欧州はまだまだマ ーケットの重しになっている」と指摘。どういった形であれ、「ドイツ か、国際通貨基金(IMF)が資金を供給する方向で動かなければ、 情勢は改善しない」との見方を示した。

29日の欧州では、イタリア政府が実施した2014年償還債35億ユ ーロの利回りが7.89%となるなど、一連の国債入札利回りが高水準で、 同国債務不安の根強さを印象付けた。米国では、全米20都市を対象に した9月の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・ シラー住宅価格指数が前年同月比で3.6%低下し、ブルームバーグが まとめたエコノミスト調査の予想中央値(3%)を下回った。同指数 は3月以降、上昇基調にあった。

金融に格下げ圧力

投資家の間で欧州問題、米景気に対する不安が広がる中、米格付 け会社のS&Pは29日、世界の大手金融機関数十行を対象とする基準 変更を踏まえ、バンク・オブ・アメリカとゴールドマン・サックス・ グループ、シティグループの格付けを「A」から「A-」に下げた。 邦銀では三井住友F、みずほフィナンシャルグループの格付け見通し を「ネガティブ」に引き下げ。

今回の格付け変更で、金融機関に対し財務体質強化に向けた圧力 が強まる恐れがあり、野村証券投資調査部の若生寿一シニアストラテ ジストは、「国債の格下げが、国債を保有する金融機関の格下げを引き 起こす負のスパイラルを抜け出せていない、との印象を深める内容」 と話していた。

中国株急落

この日の日経平均は、朝方から輸出や素材、金融株を中心に売り が先行。前週末に年初来安値(8160円1銭)を付けた後、値ごろ感か ら今週初からの2日で3.9%上昇していた。SMBC日興証券エクイ ティ部の西広市部長によると、「いったん利益確定の売りが出やすかっ た」と言う。

午後には一時、116円安まで下げ幅を拡大。中国人民銀行のアド バイザーが、同国の金融引き締めが来年中も続くとの見解を示唆した ことなどで、上海総合指数が一時前日比3.3%安、香港ハンセン指数 が2.1%安となるなどアジア株が全面安となったことが嫌気された。

業種別では、海運が東証1部33業種の下落率トップ。ムーディー ズ・ジャパンは30日、郵船の長期発行体格付けBaa1を格下げ方向 で見直しの対象とした、と発表した。SBI証券の鈴木英之投資調査 部長は、大手3社の業績見通し引き下げが相次ぎ、業績懸念が高まる 中、「あらためて収益環境の悪化を意識させる」と指摘していた。

終盤下げ渋る、12日ぶり代金1兆円台

ただ、取引終盤にかけて株価指数は下げ渋る展開。終日高かった 電力株をはじめ、食料品、陸運など内需関連の一角が下支え役を果た した。月末だったため、投資家らの持ち高調整の動きも相場が持ち直 す一因になったとみられている。

33業種で上昇率1位は電気・ガス。関西電力は、社債の発行が困 難と判断し、長期資金の借入先を新規に12社加え、従来比で約2割増 やす方針と30日付の日本経済新聞朝刊が報道。配当も維持する考えを 示したいい、電力会社の財務体質や配当への過度の懸念が後退した。

個別では、オリンパスが乱高下。米紙ウォールストリート・ジャ ーナル電子版が30日、同社の複雑な会計操作の解明には数週間以上か かり、第2四半期(7-9月期)報告書の提出が12月14日の期限に 間に合わず、上場廃止のリスクがあると報じた。これに対し同社では、 12月14日までに四半期報告書を提出予定で準備中との立場をあらた めて表明。一時13%安の873円まで急落したが、結局上昇して終了。

東証1部の売買高は概算で17億6243万株、売買代金は1兆629 億円と12営業日ぶりに1兆円を回復した。値上がり銘柄数689、値下 がり833。国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比1.1%高の46.65 と3日続伸、東証マザーズ指数が0.2%高の381.18と4日続伸した。

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