NY外為:ユーロ下落、基金拡充困難との憶測-対ドル変わらず

ニューヨーク外国為替市場で ユーロがドルを除く多くの通貨に対して下落。欧州の救済基金を1兆 ユーロに拡大する取り組みが達成できないとの思惑から売りが優勢に なった。

ユーロは対ドルで伸び悩む展開。欧州中央銀行(ECB)が国債 購入によって生じた追加流動性を完全に吸収することができなかった ことがきっかけ。ユーロ圏財務相会議がこの日、開催されている。高 利回り資産への需要が高まり、対ドルの動きとしては豪ドルとスウェ ーデン・クローナの上昇が目立った。

スタンダードチャータード銀行の米州調査責任者、デービッ ド・マン氏は「現在は不透明感が非常に強く、この危機下では実際に 明確な線引きは難しい」と指摘。「ユーロが一段安にならない唯一の 理由は、既にユーロの売り持ちが膨らんでいることだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時8分現在、ユーロは対ドルで前日比 ほぼ変わらずの1ユーロ=1.3330ドル。一時は1.3442ドルと 23日以来の高水準まで上昇する場面もあった。対円では1ユーロ= 103円79銭(前日は103円88銭)。ドルは対円で0.2%下げ、 1ドル=77円86銭。

商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、先週の先物 市場での対ドルのユーロの売越幅は8万5068枚と、2010年7月以降 で最高となった。マン氏はユーロが10月4日に付けた1.3146ドルの 水準を割り込むと売りが膨らみ、一段安になる可能性が高いと指摘し た。

資源通貨高・米ドル安

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は0.3%低下の78.997。一時は0.9%下げた。

豪ドルは米ドルに対して続伸。一時は1.8%高となった。カナ ダ・ドルは米ドルに対して0.4%上昇した。

ルクセンブルクのフリーデン財務相は、救済基金である欧州金融 安定ファシリティー(EFSF)の実質的な融資能力を1兆ユーロ(約 104兆円)に拡充するという目標は、現在の市場情勢を考慮すれば「達 成は極めて困難」との見解を示した。

みずほフィナンシャル・グループの米通貨セールス担当責任者、 ファビアン・エリアソン氏は「変化が見られるとは確認していない」 と発言。「前日のユーロ上昇は全てがうまくいくとの長期的な確信を 反映しているとは思えない」と語った。

ユーロは前日に対ドルで一時1.2%上昇し、約2週間ぶりの大幅 高となった。メルケル独首相ら欧州首脳が財政規律強化に向けた迅速 な条約改正を求めたことが材料。

「不胎化」失敗

ECBは国債購入の「不胎化」に7カ月ぶりに失敗。今年8月に 購入対象をイタリアとスペインの国債に拡大してからは今回が初めて。

ECBの29日の発表によると、7日物預金の入札で85銀行が 計1942億ユーロ(約20兆2000億円)を応札。ECBは昨年5月 以来の債券購入によって生じた2035億ユーロの吸収を目指していた。

イタリア政府は国債入札を実施し、計75億ユーロ(約7800億 円)を調達した。3年債の落札利回りは7.89%と10月の入札 時の4.93%から上昇した。

世界最大の通貨ヘッジファンド、FXコンセプツ(ニューヨー ク)の創業者、ジョン・テーラー氏はブルームバーグテレビジョンと のインタビューで、ユーロにとって「これは死闘だ」と発言。「見通し は暗いが、暗くなればなるほど政府が目覚め、何か対策を講じるとい う希望はいつもある」と語った。

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