米国債:30年債利回りが独同年債利回りを下回る-2009年以来初

米国債市場では30年債利回り が2009年以来初めてドイツの同年債利回りを下回った。欧州当局者 による域内の債務危機封じ込めが難航していることが背景にある。

29日の米国債はもみ合い。欧州当局者らが域内の債券市場下支 えに苦慮しているとの観測が広がる中、ブリュッセルでは29日、ユ ーロ圏財務相会合が開催された。この日の朝方、米国債は下落。消費 者信頼感指数の上昇に伴い、米経済の失速懸念が和らいだことが手掛 かり。

ドイツ銀行プライベート・ウェルス・マネジメント部門の債券ト レーディング責任者、ゲーリー・ポラック氏(ニューヨーク在勤)は 「ギリシャ問題の解決に関する確実な材料が欠如しており、株式相場 の下落が米国債には幾分の追い風となった」と指摘。「好材料による 興奮も、熱が冷めるのはますます早くなってきている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、米30年債利回 りは一時2.92%まで低下。一方でドイツ同年債は2.98%まで上昇 する場面も見られた。ニューヨーク時間午後4時01分現在、30年 債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上 昇の2.97%。同年債(表面利率3.125%、2041年11月償還)価 格は27/32下げて103 1/32。

米消費者信頼感指数が上昇

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによ れば、今月初めから28日までの米国債のリターンは1.2%、年初か らは9.3%となっている。一方ドイツ債は今月に入り0.7%下落。年 初来の下げは6.3%に拡大した。

全米20都市を対象にした9月の米スタンダード・アンド・プア ーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で3.6% 低下。8月は同3.8%低下していた。ブルームバーグがまとめたエコ ノミスト調査の予想中央値は3.0%低下だった。

11月の米消費者信頼感指数は約8年間で最大の上昇となった。 米国民が雇用市場と所得の先行きにやや楽観的な見方を示したことが 反映された。

米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した11月の消 費者信頼感指数は56.0と4カ月ぶりの高水準、前月の40.9から上 昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は44 だった。前月比の伸びは2003年4月以来で最大。

「緩慢すぎるペース」

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、スコット・ シャーマン氏(ニューヨーク在勤)は、好調な年末商戦やECBによ るイタリア支援の可能性は米経済への「信認を高める根拠となる」と 述べた。

連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン副議長は、さらなる資 産購入や過去最低水準の借り入れコスト維持策を明確化することによ り、米景気回復を加速し、失業率を引き下げる余地があると述べた。

イエレン副議長は29日、サンフランシスコ連銀で開かれた会議 で講演。事前原稿によると、「フェデラルファンド(FF)金利誘導 目標の方向性に関するガイダンス強化あるいは長期的金融資産の追加 購入を通じた一段の金融緩和の余地が残されている」と述べた。同副 議長はさらに、米国やその他先進国の経済成長は「数百万人の失業者 に雇用を提供するには緩慢過ぎるペースだ」と指摘した。

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