ECB:債券購入による流動性、完全吸収できず-銀行間の緊張示唆

欧州中央銀行(ECB)は、 国債購入によって生じた追加流動性を完全に吸収することができなか った。ユーロ圏の銀行間で緊張が高まっていることがうかがわれる。

ECBの29日の発表によると、7日物預金の入札で85銀行が 計1942億ユーロ(約20兆2000億円)を応札。ECBは昨年5月 以来の債券購入によって生じた2035億ユーロの吸収を目指していた。

コメルツ銀行のエコノミスト、ミヒャエル・シューベルト氏は 「状況がいかに不確実かを示す症状の一つだ」として、「現在、銀行 は必要以上の現金を抱えている。強い警戒感がある」と話した。

欧州債務危機悪化の中で域内銀行は現金保有を高め、これが国債 需要後退・利回り上昇の一因となり危機を悪化させる悪循環になって いる。ECBのバランスシートは25日までの週に2兆4200億ユー ロと過去最大規模に膨らんだ。銀行が相互に資金を融通するよりもE CBからの借り入れを選好していることが背景にある。ECBは政策 金利の1.25%で無制限に資金供給している。同中銀はこの日、定例 の7日物資金オペでの供給額が2年余りで最高になったことも明らか にした。

ECBが国債購入の「不胎化」に失敗したのは7カ月ぶり。不胎 化の失敗は今までに少なくとも4回あったが、今年8月に購入対象を イタリアとスペインの国債に拡大してからは今回が初めて。ECBは 通貨供給量の増加がインフレをあおることがないよう、国債購入で生 じた流動性を毎週の入札で吸収している。

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