今日の国内市況:株式が続伸、債券先物は6日続落-ドルと円が下落

東京株式相場は続伸し、日経平均 株価は終値で約2カ月ぶりの上昇率を記録した。為替の円安基調や原 油など国際商品市況の上昇が好感され、電機や自動車といった輸出関 連、商社など資源関連株が高い。直近の下げが大きかった海運、鉄鋼 株にも見直し買いが入り、相対的に景気敏感業種の強さが目立った。

TOPIXの終値は前日比13.98ポイント(2%)高の729.68、 日経平均株価は同190円33銭(2.3%)高の8477円82銭。両指数と も取引終盤に先物主導で上げ幅を広げ、日経平均の上昇率は9月27 日(2.8%)以来の大きさとなった。

29日の東京外国為替市場では、欧州動向に対する過度な警戒感、 リスク回避姿勢が和らいだ前日の海外株式、為替市場の流れが続き、 円・ドル相場は1ドル=78円台前半、ユーロ・円は1ユーロ=104円 台前半と前日比円安水準で推移する時間帯が多かった。日本株市場で は、朝方から電機や自動車など輸出関連、鉄鋼や海運といった景気敏 感業種を中心に買いが先行。特に海運、鉄鋼は過去1カ月間の下落率 が際立っていたため、目先の自律反発を狙う買いも株価を押し上げた。

また、28日のニューヨーク原油先物相場が1.5%高、ロンドン金 属取引所の銅、アルミ、ニッケル、鉛、亜鉛、スズで構成するLME X指数が2.7%高となるなど商品市況の上昇が好感され、三菱商事や 三井物産など商社株、JXホールディングスなど資源関連株も高い。

午後に入り、日本株は上値を追う展開となった。韓国総合株価指 数が一時前日比2.3%高、香港ハンセン指数は同1.9%高となるなど、 アジア市場がおおむね上昇したことが追い風となり、投資家心理が改 善した。

個別では、シティグループ証券が投資判断を「中立」から「買い」 に引き上げた日立製作所が高く、東証1部の売買代金で1位。電力シ ステム事業の海外調達への取り組み姿勢に本気度を確認できたほか、 素材価格上昇の中でも、資材費削減目標(2000億円)は達成可能とし ている点を評価した。また、米資源会社モリコープなどと次世代のレ アアース(希土類)永久磁石を生産・販売する合弁事業を設立する大 同特殊鋼が急騰した。

一方、KDDIが安い。東京電力が株式を売却する動きに対応し、 42万4126株、金額で約2210億円の自社株買いを29日朝に実施した が、この資金に充当するため、転換社債型新株予約権付社債(CB) を発行する。クレディ・スイス証券では、本件の本質が絶対的安定株 主から機関投資家へのオーナーチェンジであることを勘案すると、株 価にネガティブとした。

東証1部業種別33指数では、電気・ガスを除く32業種が上昇。 上昇率上位には海運や鉄鋼、非鉄金属、証券・先物取引、精密機器、 電機、卸売、化学、輸送用機器、ガラス・土石製品などが並んだ。

東証1部の売買高は概算で15億6907万株、売買代金は9408億円。 値上がり銘柄数が1472、値下がりは121。国内新興市場は、ジャスダ ック指数が前日比1%高の46.13と続伸、東証マザーズ指数は同1.2% 高の380.38と3日続伸した。

2年国債入札は無難な結果

債券市場では先物相場が5カ月ぶりに6営業日続落となった。朝 安後は横ばい圏で推移していたが、午後に株式相場が急伸したことを 嫌気して水準を切り下げた。一方、この日に実施された2年国債入札 は無難な結果との見方が出ていた。

東京先物市場で中心限月12月物は、前日比7銭安い141円80銭 で取引を開始。直後から水準を切り上げ、一時は9銭高まで上昇。し ばらく横ばい圏でもみ合っていたが、日経平均が午後に一段高となる と値を下げ、結局は14銭安の141円73銭と、この日の安値で引けた。

先物が6日続落となったのは、中心限月ベースで6月29日から7 月6日以来およそ5カ月ぶり。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは前日比2ベーシスポイント(bp)低い1.045%で始まり、その後は 低下幅を縮める展開。午後3時過ぎは横ばいの1.065%で推移。

長期金利が低下していた要因として、前日まで5日連続で水準を 切り上げ、一時は1.065%と9月2日以来の高水準を付けた反動との 見方があった。

20年物の131回債利回りは一時1.5bp低い1.81%まで低下。30 年物の35回債利回りは朝方に新発30年債として約3か月ぶりに2% 台に乗せたものの、その後は水準を切り下げている。5年物の100回 債利回りは0.5bp高い0.385%と新発5年債で約1カ月ぶり高水準を 付けたが、その後は横ばいの0.38%。

財務省がこの日実施したクーポン0.2%の2年利付国債(311回債) の入札結果によると、最低落札価格は100円10銭5厘となり、事前予 想(100円10銭)を上回った。小さければ好調とされるテール(最低 と平均価格との差)は2厘で、前回の1厘から拡大。応札倍率は3.60 倍となり、前回の4.07倍から低下した。

日本相互証券によると、この日入札された2年物の311回債利回 りは、午後の業者間市場では0.145%で寄り付いた。その後も同水準 で推移している。

ユーロは反発

東京外国為替市場ではドルと円が下落。前日の欧米株に続き、ア ジア株が堅調に推移する中、リスク回避姿勢の緩和が意識され、低金 利で資金調達通貨とされる円とドルに売り圧力がかかった。

一方、ドル・円相場は一時、1ドル=78円29銭と今月2日以来 の水準までドル高・円安に振れたが、他通貨に対してドルも円も弱い 中、一方向の動きとはならず、午後には78円ちょうどを割り込んで、 77円89銭まで値を下げた。

ユーロは反発。欧州の当局者が債務危機封じ込めへの取り組みを 強化するとの期待が支えとなり、対円では前日の海外市場で付けた今 月15日以来の高値付近まで値を切り上げた。

前日の海外市場では欧米株式相場が急伸。29日のアジア株もおお むね堅調で、日経平均株価は終値で約2カ月ぶりの上昇率を記録した。

ブルームバーグ・データによると、円は主要16通貨全てに対して 前日終値比で下落。ドルもほとんどの主要通貨に対して値を切り下げ ている。

こうした中、ユーロは対円で1ユーロ=103円後半から一時、104 円41銭まで上昇。格付け会社ムーディーズが欧州銀の劣後債などの格 付けを引き下げ方向で見直すと発表したことを嫌気して、対ドルでは 一時、1ユーロ=1.3286ドルまで売られる場面が見られたが、その後 はじりじりとユーロ買いが進み、午後には1.3373ドルを付けた。

ユーロ圏財務相らは29日にブリュッセルで会合を開き、金融市場 での信認回復を目指す。ドイツのメルケル首相のザイベルト報道官に よると、同首相は12月2日にベルリンの独下院で危機について演説。 条約改正について協議する同月9日の欧州首脳国会議(サミット)に ついて説明する。

ユーロ圏財務相会合で検討される同指針案によれば、欧州金融安 定ファシリティー(EFSF)は高債務国の債券に20-30%の保証を 付与する可能性があるという。

一方、ドイツのショイブレ財務相は28日、記者団に対し、ユーロ 共同債に関する議論は財政規律の強化が確実になってからだと発言し、 可能性を完全に排除はしない考えを示唆した。

IMFのラガルド専務理事は、欧州債務危機の解決策を見いだす ため包括的かつ迅速な提案が必要だとの考えを示した。28日にペルー のリマで記者団に語ったもので、IMFはそうした解決策の一翼を担 う用意があると指摘した。同専務理事はまた、イタリアから融資の要 請は一切受けていないとも語った。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE