パスコ:M&Aで世界5大陸に地理情報網構築へ-円高追い風に

地理空間情報の収集・解析を手が ける測量大手パスコは、海外でのM&A(企業の合併・買収)を活発 化させ世界規模での空間情報網の構築を進める方針だ。国土整備や都 市計画に加え、災害や環境問題での需要増を見込み、早期に市場を抑 え同社のデジタル技術の活用を組み合わせる考え。

パスコの杉本陽一社長は25日、ブルームバーグ・ニュースとのイン タビューで、M&Aは「今期を含めまだまだやる。世界の主要各国に拠 点を持ちたい」と意欲的な姿勢を示す。その上で「今は円高メリットも ある。良い売り物があれば積極的に買うつもりだ」との考えを示した。

杉本社長は「測量の仕事は緯度と経度と高さ、世界のどこでも基本 的な仕様は変わらない。技術的にはわれわれ日本の持つものが最高峰」 と説明する。

パスコは10月に米航空測量会社のキーストーン・エアリアル・サー ベイ社(ペンシルベニア州)の株式70%を取得し子会社化したばかり。 同社の前年度の売上高は約1400万米ドル(約11億円)。杉本社長は、 キーストーンについて「マイクロソフトのポータルサイトBINGの航 空写真の一部を供給しているほか、中南米から南米をカバーする能力を 保有している」と説明した。

海外部門を成長の柱に育成

パスコは海外事業では、世界5大陸に測量拠点の整備を目標として 掲げている。杉本社長は、具体的には米国、欧州そして中央アジアの測 量関連企業の買収を検討していると明かした。

測量の仕事は各国の安全保障やプライバシーとの兼ね合いもあり、 現地の会社でなければ受注しにくいことが背景。欧米の会社はアフリ カや南米などに広く支店を展開しており、親会社を買収することで他 の大陸にまたがった拠点まで入手できるメリットがあるという。

杉本社長は、中央アジアの国々、トルクメニスタン、カザフスタ ン、タジキスタンなどいわゆる、「スタンカントリーと呼ばれる国々へ も進出するつもりだ」と意欲を示した。大きくても10億円程度と「1 つ1つの会社はそう大きな買い物にはならない」と述べ、「米国では 州単位の仕事が多く、次の売り物に注目している」とも語った。

同社はパシフィック航空測量として創業、1974年に東証一部に上場 した。99年8月に警備保障会社セコムが資本参加し、現在約7割の株式 を保有している。米国のほか中国、フィリピン、タイ、インドネシア、 フィンランド、ベルギー、ブラジルに合計9カ所に主要海外拠点を有し ている。

震災後に地理空間情報の認識一変

杉本社長は、これまで一般の人々にとって有用性が分かりづらかっ た地理空間情報のデジタル解析技術への理解と重要性の認識が「東日本 大震災で一変した」と指摘する。タイの洪水でも避難や対策のための衛 星情報の必要性が民間企業にも再認識されたとの見方を示した。

2011年3月期のパスコの売上高は前の期比3.8%増の437億円、そ のうち海外部門は約10%の46億円だった。杉本社長は海外部門の売上 高は「今期は70億円程度までいくだろう」と予想し、12年3月期売上 高見込み460億円の約15%を目指す。

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