フィッチ:米「AAA」格付けアウトルックをネガティブに引き下げ

格付け会社フィッチ・レーティン グスは28日、米国の長期外貨建ておよび現地通貨建ての発行体デフォ ルト格付けを「AAA」に据え置く一方、長期格付けの見通し(アウ トルック)については「ステーブル(安定的)」から「ネガティブ(弱 含み)」に引き下げた。議会超党派委員会による財政赤字削減合意の不 成立を受けた変更で、これにより3大格付け会社による米国の格付け 見通しは全て「ステーブル」から外れた。

フィッチは同日の発表資料で見通し変更について、「米国の財政を 持続可能な軌道に乗せるために必要な措置が時宜を得た形で準備され るという信頼感が低下したこと」を反映したと説明。今後2年間の格 下げの確率は50%を超えたとした。米格付け会社のスタンダード・ア ンド・プアーズ(S&P)とムーディーズ・インベスターズ・サービ スは今月21日、超党派委員会による合意不成立でも1兆2000億ドル (約94兆円)の自動的な歳出削減措置が発動されることになるため格 下げには値しないとの見解を示していた。

S&Pは8月5日に米国の格付けを最上級の「AAA」から引き 下げた。米国債相場はその後、2008年末以降で最大の上昇を演じた一 方、世界の株式市場では同期間に9兆7000億ドルの時価総額が失われ た。米議会は今月の格下げ回避につながった自動的な歳出削減措置の 受け入れに後ろ向きだが、オバマ大統領はこの措置を台無しにするよ うな取り組みには拒否権を発動すると表明している。

ジャニー・モンゴメリー・スコット(フィラデルフィア)のチー フ債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏はフィッチの発表前に、「フ ィッチが見通しをネガティブにすることは、米国の財政状況が徐々に 悪化しているという合唱にさらに1社の声が加わるだけだ」と述べ、 「さほど重要ではない」との見解を示した。

債務の対GDP比

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーの価格情報によると、10年 物米国債利回りはニューヨーク時間午後4時19分現在、1ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)上昇し1.98%。S&P500種株価指 数は前週末比2.9%高で終了。

フィッチは米国の連邦政府債務が2019年末までに国内総生産(G DP)比で90%を超える一方、債務の利払いで税収の2割強が必要に なると予測。地方や州政府を含めた債務総額は同期間にGDP比 110%に増加し、米国のAAA格の保持に「一致しなくなる」水準とな ると分析した。さらに、議会が「信頼できる赤字削減計画で」合意で きず、経済・財政見通しが「悪化」すれば、米国は恐らくAAA格を 失う結果になるだろうとの見方を示した。

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