11月28日の米国マーケットサマリー:株は急伸、小売りや欧州状況で

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3308 1.3239 ドル/円 77.97 77.73 ユーロ/円 103.77 102.91

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 11,523.01 +291.23 +2.6% S&P500種 1,192.55 +33.88 +2.9% ナスダック総合指数 2,527.34 +85.83 +3.5%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .25% -.02 米国債10年物 1.97% +.01 米国債30年物 2.93% +.01

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金(ドル/オンス) 1,714.50 +26.00 +1.54% 原油先物 (ドル/バレル) 97.98 +1.21 +1.25%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルと円が主要通貨の大半に対し て軟調となった。欧州首脳がユーロ圏債務危機に歯止めをかけつつあ るとの見方からリスク資産への需要が高まり、安全な逃避先とされる ドルや円に売りが出た。

ドル建ての資金調達コストがほぼ3年ぶりの高水準に上昇すると、 ユーロは伸び悩んだ。ドイツのショイブレ財務相が財政規律の強化に 向けた迅速な条約改正を呼び掛けたため、ユーロは一時、対ドルで2 週間ぶりの大幅高となる場面もあった。ニュージーランド(NZ)ド ルは上昇。同国の総選挙でキー首相が再選を果たし、同首相率いる国 民党が過去60年で最多の議席を獲得したことがきっかけ。

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セレブ リアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「危機対応における欧州首脳の切 迫感が強まっており、それが恐らくリスク資産への買いを誘っている」 と指摘した。ただ「これは解決に向けた転換点ではない。買い戻し主 導の上昇にすぎず、すでに勢いが鈍っているようだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後1時43分現在、ドルはユーロに対し前営 業日比0.7%安の1ユーロ=1.3330ドル。一時は1.2%安と、11 日以来で最大の下げとなった。円は対ユーロで1%安の1ユーロ= 103円96銭。一時は1.6%下落し、10月31日以来の大幅安とな った。ドルは対円で0.4%上昇し、1ドル=78円ちょうど。

◎米国株式市場

米株式相場は急伸。S&P500種株価指数は8営業日ぶりに上 昇した。米感謝祭後の小売売上高が過去最高に達したほか、欧州首脳 が債務危機解決に向けた取り組みを強化するとの観測が背景にある。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株 価指数は前営業日比2.9%高の1192.55。S&P500種は15日か ら25日までに7.9%下落していた。

ジェームズ・インベストメント・リサーチで28億ドルの運用 に携わるトム・マンガン氏は「非常に良好だった米国の小売売上高と 欧州問題の進展を反映した相場だ」と述べ、「欧州首脳の間で、今は 極めて重大な状況にあるという認識と切迫感が高まりつつある」と指 摘。「ボラティリティーはまだ相当に高い。危機的局面はまだ脱して いない」と述べた。

ブルームバーグのまとめたデータによると、S&P500種株価 指数の株価収益率(PER、2012年のアナリスト利益予想に基づく) は10.95倍。過去50年間の平均値は16.4倍となっている。

◎米国債市場

米国債相場は下げ渋る展開。欧州首脳陣が域内の債務危機に対 策を打てていないとの懸念が広がり、安全とされる資産の需要が高 まった。

株式相場の上昇に伴い、米10年債利回りは一時、2週間ぶり 高水準に上昇した。

バンク・オブ・ノバスコシアの金利ストラテジスト、ガイ・ヘ ーゼルマン氏(ニューヨーク在勤)は「欧州の状況は誰の目にも悪 化している」と指摘。「スローモーションで列車が衝突に向かって いるような感覚だ。勢いが高まりつつあり、停止させる良策もない」 と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク 時間午後1時9分現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の1.98%。一時2.08%と、今月 14日以来の高水準に達した。同年債(表面利率2%、2021年11 月償還)価格は5/32下げて100 5/32。

30年債利回りは2bp上げて2.94%。一時は11月18日以来 で初めて3%を超える場面も見られた。

米連邦準備制度理事会(FRB)は今年9月に発表した借り入れ コスト抑制策の一環として、2020年から21年に償還を迎える米国 債46億8000万ドルを28日に購入した。同策では4000億ドルの 短期債を売却して比較的長期の国債を同額購入する。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反発。ドルの下落で代替資産としての 金買いが加速し、2週間ぶりの大幅高となった。

ユーロは対ドルで0.5%高と、18日以来の大幅上昇となる見通 し。ドイツのショイブレ財務相は欧州連合(EU)の財政規律の強化 に向けた迅速な条約改正を呼び掛けた。また独紙ウェルト日曜版は、 ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領が新たな安定協定 を計画していると報じた。

VTBキャピタル(ロンドン)のアナリスト、アンドレイ・クリ ュチェンコフ氏は「この日の金相場はドル下落の影響を大きく受けて いる」と指摘。「金の支援材料は健在だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前営業日比1.5%高の1オンス=1714.50ドルで終了。11 日以来の大幅高となった。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は続伸。米国で感謝祭後の小売売上高 が過去最高を記録し、世界最大の原油消費国である米国の経済成長が 示唆されたことが手掛かり。

全米小売業協会(NRF)がビッグリサーチの調査を基に発表し たところによると、感謝祭週末の小売売上高は524億ドルとなった。 この日はドルが下落、商品は上昇した。ドイツのメルケル首相とフラ ンスのサルコジ大統領は新たな安定協定を計画していると、独紙ウェ ルト日曜版が伝えた。

エナジー・セキュリティー・アナリシス(マサチューセッツ州ウ ェークフィールド)のシニアアナリスト、クリス・バーバー氏は、 「経済の方向性を示唆する材料なら、投資家はどんなものでもすがろ うとしており、小売売上高の数値は非常にポジティブだ」と指摘。 「欧州の債務危機が解決に向かうとのやや楽観的な見方もある」と述 べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物1月限は前営 業日比1.44ドル(1.49%)高の1バレル=98.21ドルで終了。終 値では17日以来の高値となった。年初からは7.5%の値上がり。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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