米国債:下げを埋める展開、欧州の債務危機収束への期待薄れ

米国債相場は下げを埋める展 開。債務危機封じ込めに向けた欧州首脳陣による取り組みを投資家は 見極めようとしている。

米10年債利回りは一時、2週間ぶり高水準に上昇した。欧州で 新たな安定協定が計画されているとの報道が背景にある。先週は感謝 祭の休日の影響で薄商いの中で軟調となったが、これを引き継いだ売 りが出ず、利回りの上昇は一段落した。米10年債利回りはドイツ同 年債利回りを下回り、スプレッドは2009年4月以来の幅に拡大した。

バンク・オブ・ノバスコシアの金利ストラテジスト、ガイ・ヘー ゼルマン氏(ニューヨーク在勤)は「欧州の状況は誰の目にも悪化し ている」と指摘。「スローモーションで列車が衝突に向かっているよ うな感覚だ。勢いが増しつつあり、停止させる良策もない」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後2時48分現在、10年債利回りは前営業日比ほぼ変わらずの

1.96%。一時2.08%と、今月14日以来の高水準に達した。同年債 (表面利率2%、2021年11月償還)価格は100 12/32となって いる。

30年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイ ント)下げて2.91%。一時は11月18日以来で初めて3%を超え る場面も見られた。

FRBが国債購入

米連邦準備制度理事会(FRB)は今年9月に発表した借り入れ コスト抑制策の一環として、2020年から21年に償還を迎える米国 債46億8000万ドルを28日に購入した。同策では4000億ドルの 短期債を売却して比較的長期の国債を同額購入する。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏によれば、米国債の売 り圧力は感謝祭休日による薄商いによるところが大きい。10年債は 23日、利回り1.88%で取引を終えていた。

リンジェン氏はこの日の取引では開始直後から相場がじわじわと 上昇したと指摘。「積極的に売りに出る投資家もいるだろうが、多数 派ではない」とし、「市場が冷静さを取り戻すに伴い、利回りは11 月に中心的だったレンジに戻った」と解説した。

10年債利回りは今月、1.87%から2.16%と、29bpのレンジ で推移している。前月は1.72%から2.42%と、70bpのレンジで 推移した。

欧州安定協定

米10年債利回りはドイツ10年債利回りを34bp下回り、スプ レッドは09年4月以来の幅に拡大した。

ドイツのショイブレ財務相は27日、ベルリンでARDテレビの インタビューに応じ、財政規律の強化へ向けた迅速な条約改正が必要 だと強調。「これを迅速に実施することは可能であり、そうすること がユーロは安定した通貨であり、そうあり続けるとの重要なシグナル を市場に送ることになる」と述べた。

ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は、債務危機 の封じ込めに向けて新たな安定協定を計画している。独紙ウェルト日 曜版が情報源を明らかにせずに伝えた。

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