OECD:加盟国の成長予想を下方修正、ユーロ存続への疑問が足かせ

経済協力開発機構(OECD) は、欧州通貨同盟の存続に対する疑問の高まりが成長の足かせとなっ ており、世界経済に対する主要リスクだとの認識を示した。

OECDは28日公表した半期世界経済見通しで、加盟34カ国 の成長率予想を今年1.9%、来年1.6%に下方修正した。5月時点 ではそれぞれ2.3%と2.8%を予想していた。

主任エコノミストのピエールカルロ・パドアン氏は報告で、「ユ ーロ圏が直面している重大な難局に政策当局が効果的に対応できるの か疑問が膨らんでいる」と指摘。「ソブリン債市場と通貨同盟そのも のに対する信頼の喪失」に関連した深刻な下振れリスクが残っている と分析した。

主要な国際機関がユーロ崩壊の可能性に言及するのは初めて。O ECDの指摘は周辺国で始まった危機がユーロ圏の中核に及びつつあ ることを浮き彫りにした。

OECDは「ユーロ圏危機は世界経済への重大なリスクだ」とし、 危機の「感染は新たな段階に入り、ユーロ圏で財政の弱さが通常認識 されている国以外にも広がった。これは危機感染をあおっているのが 財政への懸念だけではないことを示唆している」とも分析した。

ECBは利下げを

また、欧州中央銀行(ECB)の役割拡大への支持を示し、利下 げとバランスシート拡大が必要だと論じた。救済基金である欧州金融 安定ファシリティー(EFSF)の強化も必要だと指摘した。

OECDは「域内諸国のスムーズかつ適正金利での資金調達を確 実にするためには、断固とした政策と適切な制度対応を整備する必要 がある」とし、「EFSFの能力の迅速かつ信頼できる大幅な拡大と、 ECBのバランスシートのより十分な活用が必要だということだ」と 説明した。

ユーロ圏経済については既に「緩やかな」リセッション(景気後 退)にあるとの見解を示し、今年の1.6%成長の後、来年は0.2% の成長にとどまると予想した。13年は1.4成長の見込み。

米国は今年1.7%、来年2%の成長が予想される。日本は今年マ イナス0.3%、12年がプラス2%、13年が同1.6%成長と見込ま れている。

OECDは米国について、「プログラムされている強力な財政引 き締めの影響を打ち消す措置が合意されなければ、深刻な下振れリス クがある」とし、「予想よりもはるかに厳しい財政緊縮策は米経済を、 金融政策によって防ぐことがほぼ不可能なリセッションに陥らせるリ スクがある」と分析した。

さらに、中国経済も「金融環境の引き締めを背景に予想以上に減 速する」可能性があると指摘した上で、「さらに長期的には、安定的 な高成長を維持できるかどうかについての不確実性がある」との見方 を示した。

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