今日の国内市況:株式上昇、債券先物4カ月ぶり安値、ユーロ上げ縮小

東京株式相場は上昇。国際通貨 基金(IMF)によるイタリア支援準備報道や米国クリスマス商戦の出 だし好調などを受け、海外情勢に対する過度な悲観が和らいだ。電機や 輸送用機器といった輸出関連株のほか、海運や非鉄金属など直近で下落 の大きかった景気敏感業種の上げが目立った。

TOPIXの終値は前週末比9.10ポイント(1.3%)高の

715.70と続伸し、日経平均株価は127円48銭(1.6%)高の8287円 49銭と6営業日ぶりに反発した。

IMFはイタリアの債務危機が悪化した場合に備え、6000億ユー ロ(約62兆円)の支援を準備している、と同国紙スタンパが27日に 報じた。同紙によると、融資が実施されればモンティ政権は既存債務の 借り換えの必要がなく、改革実行で12-18カ月の時間が与えられるこ とになるという。

また、全米小売業協会によると、米国の感謝祭週末の小売売上高は 店頭とウェブサイトで前年比16%増の524億ドルと、過去最高に達し た。ギャップやウォルマート・ストアーズなどの小売業者はこれまでで 最も早い時間に開店したほか、営業時間延長でオンライン販売にも拍車 が掛かった。

欧州と米国でともに景気に対する過度な警戒が和らぎ、東京時間 28日のシカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)のS&P500 種株価指数先物は、基準価格比で最大2.3%高まで上昇。今晩の米国株 高への期待から、東京市場でも日経平均先物が売買を伴って大きく買い 戻された半面、債券先物は大幅安となった。株価指数先物の上昇も、き ょうの相場水準の押し上げにひと役買った。

東証1部業種別33指数では海運、鉱業、証券・商品先物取引、非 鉄金属、輸送用機器、鉄鋼、石油・石炭製品、保険、機械、ガラス・土 石製品などが上昇率上位。過去半年間の下落率上位を見ると海運、証 券・商品先物、非鉄、鉄鋼、その他製品、ガラス・土石、保険、輸送用 機器などとなっていた。

一方、きょうは電気・ガス、陸運、医薬品など景気に左右されにく いディフェンシブ関連業種が安かった。

きょうの株価指数は上昇したものの、午後の取引では伸び悩み。I MFによるイタリアへの支援報道については、米ダウ・ジョーンズが記 事は信頼できないとも報道。米格付け会社ムーディーズ・インベスター ズ・サービスは28日、ユーロ圏のソブリン・銀行信用危機の深刻化が 進み、すべての欧州諸国の信用状態を脅かしていると指摘した。ユーロ の戻りがやや一服したことで、株価指数の上値も限られた。

東証1部の売買高は概算で13億6235万株、売買代金は同8017 億円と、代金は21日(7557億円)以来の低水準。値上がり銘柄数は 1107、値下がりは419。

債券先物は142円割れ

債券相場は続落。先物中心限月は約4カ月ぶりの安値を付けた後、 142円台を割り込んで終了した。長期金利は一時1.065%と9月以来 の水準に上昇した。欧州債市場の混乱を受けて、前週末の米国市場で債 券相場が反落した地合いを引き継ぎ、売りが優勢となった。ユーロ圏財 務相会合の開催を29日に控えて慎重姿勢も根強い。

東京先物市場で中心限月12月物は、前週末比39銭安の141円90 銭で始まった後、売りが優勢となり、一時は58銭安の141円71銭ま で下落し、中心限月としては7月29日以来の安値を記録した。その後 は徐々に下げ幅を縮め、142円00銭まで戻す場面もあったが、結局、 42銭安の141円87銭で引けた。終値での142円割れは8月1日以来。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは、前週末比2ベーシスポイント(bp)高い1.05%で取引を開始し た後、水準を切り上げ、一時1.065%まで上昇、新発10年債としては 9月2日以来の高水準を付けた。その後は、徐々に水準を切り下げ、午 後3時すぎは、2.5bp高い1.055%で推移している。

中期債や超長期債も下落。新発5年物100回債利回りは3.5bp高 い0.38%に上昇し、新発5年債として10月31日以来の高水準を付け た。新発20年物131回債利回りは一時3.5bp高い1.825%、新発30 年物35回債利回りは3bp高い1.99%まで上昇した。

25日の米国債相場は反落。欧州ソブリン債市場での荒い値動きを 背景に逃避需要から最近は買われていたが、米国債利回りが低くなり過 ぎたとの見方から売りが出た。10年債利回りは前日比8bp上昇の

1.96%程度。28日のアジア時間帯の取引では、アジア株の上昇を受け て、一時2.02%と2%台まで売られた。

伊紙スタンパが27日までに伝えたところによると、IMFはイタ リアの債務危機が悪化した場合に備えて6000億ユーロの支援を準備し ているという。これに対し、米紙ウォールストリート・ジャーナル(W SJ)は、事情に詳しい複数の関係者を引用して、IMFのイタリア支 援に関する報道は信頼できないと伝えた。

また米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは28 日、ユーロ圏のソブリン・銀行信用危機の急速な深刻化が進んでおり、 全ての欧州諸国の信用状態を脅かしていると指摘した。

財務省はあす29日、2年利付国債(12月債)価格競争入札を実 施する。表面利率(クーポン)は、前回310回債より0.1ポイント低 い0.2%か横ばいの0.2%が予想されている。発行額は前回より1000 億円増の2兆7000億円程度。

前回入札された2年物310回債利回りは、0.5bp高い0.14%に上 昇している。

ユーロは上げ幅が縮小

東京外国為替市場では、朝の取引でユーロ買いが先行したものの、 午後にかけて上昇幅を縮小する展開となった。週内に欧州各国で入札を 控えて引き続き欧州債の需要動向が警戒され、一段の買いには慎重な姿 勢が残った。

前週末の海外市場で一時1ユーロ=1.3212ドルと、10月4日以 来の水準までユーロ安が進行していたユーロ・ドル相場は、週明けの日 本時間早朝の取引で1.3245ドルを下値に1.3343ドルまで急速にユー ロが買い戻された。しかし、ユーロの上値は限定的で、午後の取引では

1.32ドル台後半に水準を切り下げて取引された。

朝方は国際通貨基金(IMF)がイタリア向け支援を準備している との伊紙報道を受けてユーロ買いが先行したものの、IMFの当局者は IMFの融資プログラムについてイタリアと協議していないと明らかに した。また、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ、オンライ ン版)が、事情に詳しい複数の関係者を引用して、IMFのイタリア支 援に関する報道は信頼できないと伝えている。

一方、ドル・円相場は前週末の取引でドル買いが優勢となり、一時 1ドル=77円79銭と、今月10日以来のドル高値を付けた。週明けの 東京市場では早朝に77円46銭まで水準を切り下げた後、再び77円 73銭まで戻し、その後は77円台後半で推移。午後3時49分現在は 77円64銭付近で取引されており、日中の値幅は27銭にとどまった。

イタリア政府が25日に実施した80億ユーロ相当の6カ月物証券 の入札では、利回りが6.504%と、10月26日の入札時の3.535%の 2倍近くに上昇し、1997年8月以来で最高となった。

これを受けて、同日の欧州債券市場ではイタリア国債が売られ、2 年債の利回りはユーロ導入後の最高に達した。今週はイタリアのほか、 欧州内で各種入札が予定されており、需要動向への警戒が続きそうだ。

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