ユーロ分裂に現実味、市場が最大限の警告-ECBに量的緩和を催促も

【記者:Simon Kennedy】

11月28日(ブルームバーグ):ユーロの守護者らが債務危機を食 い止める取り組みをすぐに強化しない限り、ユーロ圏が解体する危険 を冒すことになると世界中の金融機関が最大限の警告を発している。

モルガン・スタンレーやUBS、ノムラ・インターナショナルな どの金融機関は過去1週間に公表した顧客向けリポートで、欧州中央 銀行(ECB)と各国政府は危機対応にさらに力を入れなければなら ず、そうしなければユーロ圏分裂の危険があると相次いで訴えた。欧 州各国は今週、ユーロ圏財務相会合と欧州連合(EU)財務相理事会 を開催し、イタリアは国債発行入札で最大88億ユーロ(約9100億円) の資金調達を目指す。

UBSの為替戦略責任者、マンスール・モヒウディン氏(シンガ ポール在勤)は26日付のリポートで、政治家よりも市場の動くスピー ドが速く、ユーロの「終局」を投資家が織り込み始めていると指摘。 ドイツ銀行は「危機の新たな段階」と見なし、ノムラはユーロ圏経済 の基軸であるドイツをも投資家が不安視する兆しが増大し、「はるかに 危険な局面」が始まりつつあると警告した。先週のドイツ10年国債入 札は応札額が発行予定額を35%下回る札割れとなった。

モルガン・スタンレーのチーフエコノミスト、ヨアヒム・フェル ス氏(ロンドン在勤)は27日、「EUが12月9日の首脳会議で包括的 な解決策を用意できない事態は確実に起こり得る。それは最終的にユ ーロ分裂につながる恐れのあるはるかに暗いシナリオの引き金にな る」との見方を示した。

ノムラ・インターナショナル(ロンドン)のエコミスト、イエン ス・ソンダーガード氏らは25日付のリポートで、ユーロ圏の分裂につ いて、「今や起こり得るというよりもその可能性が高い」と分析。これ を阻止するためにバランスシートの無制限の資金を活用するようEC Bに求めた。

ソンダーガード氏らは、ECBが来週、主要政策金利を再び過去 最低の1%に引き下げ、銀行へのより長めの緊急資金供給を決定する ことによって、年内に「本格的な金融危機」が発生する事態を回避で きるはずだと指摘。来年にかけては、ECBが米連邦準備制度理事会 (FRB)に追随し、大規模な債券購入を通じて借り入れコストの低 下を促す「量的緩和」を実行に移すと予想している。

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