債券先物4カ月ぶり安値、米債安や欧州会合控え売り優勢-142円割れ

債券相場は続落。先物中心限月は 約4カ月ぶりの安値を付けた後、142円台を割り込んで終了した。長 期金利は一時1.065%と9月以来の水準に上昇した。欧州債市場の混 乱を受けて、前週末の米国市場で債券相場が反落した地合いを引き継 ぎ、売りが優勢となった。ユーロ圏財務相会合の開催を29日に控えて 慎重姿勢も根強い。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは「海外 市場で先物相場が下落した流れを引き継いだ。ユーロ圏財務相会合後 に楽観論が広がる可能性もあり、ロング(買い建て)をいったん落と す動きで売りが優勢となっている」と説明した。もっとも、「楽観論は 短期間しか続かないと思う」とも述べた。

東京先物市場で中心限月12月物は、前週末比39銭安の141円90 銭で始まった後、売りが優勢となり、一時は58銭安の141円71銭ま で下落し、中心限月としては7月29日以来の安値を記録した。その後 は徐々に下げ幅を縮め、142円00銭まで戻す場面もあったが、結局、 42銭安の141円87銭で引けた。終値での142円割れは8月1日以来。

RBS証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは「国際通貨基 金(IMF)やスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)から日本 の財政状況が良くないと指摘されたことをきっかけに、先週から軟調 地合いが続いている。年末が近づく中、ロングポジションを手じまう 動きが加速した」と語った。

新発10年債利回りは一時1.065%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは、前週末比2ベーシスポイント(bp)高い1.05%で取引を開始し た後、水準を切り上げ、一時1.065%まで上昇、新発10年債としては 9月2日以来の高水準を付けた。その後は、徐々に水準を切り下げ、 午後3時すぎは、2.5bp高い1.055%で推移している。

岡三証券の坂東明継シニアエコノミストは「前週後半に下落した 地合いを引き継ぎ、売りが先行した。これまで米国債、ドイツ国債、 日本国債は安全と見られていたが、ドイツ国債が怪しくなっており、 海外市場で債券相場は下落した。このため取りあえず水準調整でポジ ションを整理する動きとなっている」と説明した。

一方で、RBS証券の福永氏は「日本国債を売って他のものを買 う動きにはなっていない。今後、数カ月間に金利が上昇していくとは みていない」と語った。

中期債や超長期債も下落。新発5年物100回債利回りは3.5bp高 い0.38%に上昇し、新発5年債として10月31日以来の高水準を付け た。新発20年物131回債利回りは一時3.5bp高い1.825%、新発30 年物35回債利回りは3bp高い1.99%まで上昇した。

25日の米国債相場は反落。欧州ソブリン債市場での荒い値動きを 背景に逃避需要から最近は買われていたが、米国債利回りが低くなり 過ぎたとの見方から売りが出た。10年債利回りは前日比8bp上昇の

1.96%程度。28日のアジア時間帯の取引では、アジア株の上昇を受け て、一時2.02%と2%台まで売られた。

JPモルガン証の山脇氏は、前週のドイツ国債入札札割れでユー ロ離れを警告する声もあるが、「質への逃避」で一気に米国債に行ける ような状況でもないと解説した。

伊紙スタンパが27日までに伝えたところによると、IMFはイタ リアの債務危機が悪化した場合に備えて6000億ユーロの支援を準備 しているという。

これに対し、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、 事情に詳しい複数の関係者を引用して、IMFのイタリア支援に関す る報道は信頼できないと伝えた。

また米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは28 日、ユーロ圏のソブリン・銀行信用危機の急速な深刻化が進んでおり、 全ての欧州諸国の信用状態を脅かしていると指摘した。

あす2年債入札

財務省はあす29日、2年利付国債(12月債)価格競争入札を実 施する。表面利率(クーポン)は、前回310回債より0.1ポイント低 い0.2%か横ばいの0.2%が予想されている。発行額は前回より1000 億円増の2兆7000億円程度。

RBS証券の福永氏は、2年債入札について、「事前に相場が調整 したため、無難に通過すると思う。需給に不安はない」と見込んでい る。

前回入札された2年物310回債利回りは、0.5bp高い0.14%に上 昇している。

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