白川日銀総裁:国際市場の緊張高い-日本も財政改善の取組み必要

日本銀行の白川方明総裁は28日 午後、名古屋市内で会見し、欧州債務問題により国際金融資本市場は 「全体に緊張感の高い状態が続いている」との認識を示した。日本の 財政状況についても「市場参加者の予想というものは変化し得るもの である」ため、財政バランスの改善に向けて「しっかり取り組むこと が大事だ」と述べた。

白川総裁は欧州債務問題について「欧州経済だけでなく、世界経 済にとっての最大のリスクとなっている」と指摘。「われわれとして一 番大事なことは、リーマン・ショックのように金融市場全体が大混乱 するという事態を絶対避けなければいけない」ことだと述べた。

国内の長期金利が上昇傾向にあることに関しても「現在の国内の 金融市場の動きは当然、国際市場の影響を受ける」とした上で、「市場 参加者の予想というものは変化し得るものである」と指摘。従って「日 本の財政の状況は大変厳しいので、わが国が財政バランスの改善に向 けてしっかり取り組むことが大事だ」と述べた。

一方、東海地域の景気は「輸出企業を中心に円高による収益への 悪影響が見られているほか、足元ではタイの洪水の影響が見られるも のの、全体としては持ち直している」と指摘。先行きについては、自 動車生産の東日本大震災による落ち込みからの回復を背景に「しばら く高水準の生産活動が続くと見ているが、大幅な円高による価格競争 力の低下や、海外経済の下振れの影響等のリスク要因について注視し ていく必要がある」と述べた。

日銀は8月4日の会合で資産買い入れ等基金を40兆円から50兆 円に、10月27日の会合でさらに5兆円拡大する追加緩和を行った。 円ドル相場は同月31日早朝の海外市場で1ドル=75円35銭と戦後最 高値を更新。政府・日銀が同日、円売り・ドル買い介入を実施した直 後に4円ほど急落したが、足元では77円台で推移している。日銀は 16日開いた会合では、全員一致で政策の現状維持を決定した。

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