米国債(25日):反落、欧州報道で下げ拡大-利回り急低下を警戒

米国債相場は反落。欧州ソブ リン債市場での荒い値動きを背景に逃避需要から最近は買われていた が、米国債利回りが低くなり過ぎたとの見方から売りが出た。

欧州連合(EU)当局者を引用した報道が流れると、安全な逃避 資産としての需要が弱まり、下げ幅を拡大した。同報道によると、欧 州の恒久的な救済基金である欧州安定化メカニズム(ESM)に民間 部門を関与させるのをやめる提案をユーロ圏が検討している。欧州ソ ブリン債危機の封じ込めが難航する中、スペインとイタリアの借り入 れコストが上昇。米10年債利回りは4日連続で2%を下回った。

FTNファイナンシャル(テネシー州メンフィス)の機関債調査 責任者、ジム・ボーゲル氏は「利回りが最低水準にある米国債にどれ ほどの実需があるのか、見極めるのは容易ではない」と指摘。「債券 の割安感を計る時期に入った。大きな動きがあったときはいつも、い ったん手を休めて状況の変化を判断する必要がある」と語った。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、10年債利回り は前日比8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の

1.96%。同年債価格(表面利率2%、2021年11月償還期限)は 23/32下げて100 10/32。この日は午後2時までの短縮取引。前日 は感謝祭で休場だった。

10年債利回りは23日に1.87%まで低下。9月23日に付けた 過去最低の1.67%に近づいた。今週全体では5bp低下し、11月 4日終了週以来の大幅な低下となった。

JPモルガンの予想

JPモルガン・チェースは欧州債務危機の深刻化で米国債利回り が2012年初めに低下し、その後は米金融当局による国債購入の減少 で利回りは上昇するとの見通しを示した。

債券戦略グローバル責任者、テリー・ベルトン氏らJPモルガン のアナリストは25日付のリポートで、10年債利回りが12年第1四 半期に1.7%まで低下し、年末までに2.5%へ上昇すると予想した。 金融当局が購入しない米国債の発行は12年に倍増し、1兆ドルに達 する可能性があり、「海外投資家の購入額が大幅に増加する必要があ る」という。

米10年債と独10年債の利回り差は29bpに拡大し、09年4 月以降の最大に近づいた。欧州のソブリン債危機が悪化する中で最大 の逃避先となっていたドイツの地位が弱まりつつあることを示唆して いる。独10年債利回りは10月28日以来の高水準となる2.26%ま で上昇した。

ドイツのショイブレ財務相はソブリン債救済で債権者に損失負担 を求めるESMについて、欧州各国政府が規定を緩和する可能性があ ることを示唆した。

イタリア入札

イタリア政府が25日に実施した入札で、6カ月物の金利が7% に近くなった。借り入れ額が世界4位の同国が債務運営で苦慮すると の懸念が強まった。80億ユーロ(約8200億円)相当の6カ月物証 券の利回りは6.504%と、10月26日の入札時の3.535%の2倍近 くに上昇、1997年8月以来で最高となった。

モーガン・キーガンの債券資本市場部門プレジデント、ケビン・ ギディス氏は顧客向けリポートで、「投資家は今年いっぱい欧州情勢 に注目し続けるだろう」と予想。「借り入れコストが急増しているの が現実で、それ自体が深刻な経済問題になり得る」と述べた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE