TOPIXが小反発、海運や鉄鋼、証券高い-割安感と欧州懸念交錯

東京株式相場は、TOPIXが小 反発。東証1部33業種では、直近の下げが目立っていた海運、鉄鋼、 証券などが買われた。TOPIX、日経平均株価がともに前日に2年 8カ月ぶりの安値を付ける中、投資指標面から見た割安さを見直す動 きもあった。

ただ、欧州債務危機拡大への懸念は根強く、買いの勢いは限定的。 水産・農林や食料品、小売といった直近堅調だった内需関連の一角が 安く、リターン・リバーサルの動きもうかがえた。TOPIXの終値 は前日比0.52ポイント(0.1%)高の706.60。日経平均株価は同5円 17銭(0.1%)安の8160円1銭と小幅に5日続落し、終値で連日の年 初来安値更新となった。

ベアリング投信投資顧問運用本部の溜学部長は、「深刻化しつつあ る欧州債務問題については、ひとまずマーケットに織り込まれてきた」 と指摘。ただ、さらに情勢が悪化していくのか、収束に向かうのかと いった「今後の方向性を探しあぐねている」と話していた。

ブルームバーグのデータによれば、TOPIXの株価純資産倍率 (PBR)は0.85倍と、理論上の会社解散価値に当たる1倍を下回る。 欧米株のPBRは、米S&P500種株価指数が1.89倍、ストックス欧 州600指数は1.26倍だ。このほかテクニカル指標では、東証1部の上 昇、下落銘柄数の割合を示す騰落レシオが24日時点で78%と約3カ 月ぶり低水準にあり、売られ過ぎの水準を指す70に迫っている。

東洋証券の土田祐也ストラテジストによると、PBR1倍割れ銘 柄が相次ぐなど、「『陰の極』にきている感があり、直近で売られた銘 柄にショートカバーや打診買いが入り始めている」と言う。

リターン・リバーサル

東証1部の業種別33指数は海運、保険、鉄鋼、証券・商品先物、 精密機器、電気・ガス、その他製品、輸送用機器、不動産など12業種 が上昇。半面、水産・農林、食料品、ゴム製品、卸売、小売、陸運な ど21業種が安い。

TOPIXが直近高値を付けた10月31日から前日までの東証業 種別33指数の騰落状況を見ると、全業種が下げ、TOPIXはマイナ ス7.6%。このうち海運が同25%、証券・商品先物が同22%、鉄鋼が 同16%と下落率上位に並び、水産・農林や食料品、小売の下げはTO PIXより小さかった。きょうは、直近で売られていた銘柄を買い戻 し、強かった銘柄を売るリターン・リバーサルの色彩が濃かった。

個別では、SMBC日興証券が投資判断を「中立」から「アウト パフォーム」に引き上げたエルピーダが急伸。アドバンテストや東京 エレクトロンも上げ、半導体関連株は軒並み堅調だった。東エレクな ど半導体・液晶製造装置大手8社の2011年10-12月期の受注額は、 7-9月期から3割前後増える見通し、と25日付の日本経済新聞朝刊 で報じられる材料もあった。

また、オリンパスが連騰。高山修一社長は24日、「現経営陣はオ リンパス再生の途が見えたら、いつでも職を辞す覚悟で任に当たって いる」との声明を出しており、経営刷新を見込む買いが広がった。ニ コンも上昇。同社に関しては、タイ洪水被害で同国工場が操業停止し たデジタル一眼レフカメラの代替生産について、1カ月前倒しで今月 末から始めると25日付の日経新聞が伝えていた。

指数小動き、ユーロ共同債への壁

この日の日本株はTOPIX、日経平均とも前日終値を挟む小動 きに終始し、方向感を欠いた。「欧州情勢は不安定で混とんとしたまま で、実需の積極的な買いが入ってくる状況にはない」と、東洋証の土 田氏は話す。

ドイツのメルケル首相は24日、ユーロ共同債発行と危機対応での 欧州中央銀行(ECB)の役割拡大をあらためて拒否する考えを示し た。同首相は、各国の債務圧縮と域内諸国間の経済調整の強化を危機 解決策の焦点とし、欧州連合(EU)条約の見直しを呼び掛けている。 ただ、条約改正には数年にわたる交渉が必要で、その間にギリシャ発 の危機がユーロ圏の中核国を飲み込むリスクは拭い切れない。

立花証券の平野憲一執行役員は、最終的にユーロ共同債は導入さ れるとみるが、「重い負担が課せられるドイツでは世論形成に時間がか かる」とし、欧州問題はなおくすぶると予想する。一方、ベアリング 投信の溜氏によると、「ドイツが共同債に反対している格好だが、こう いったニュースが出てきたのは、水面下で話が進んでいることの証左」 との認識を示していた。

東証1部の売買高は概算で15億395万株、売買代金は9018億円。 代金の1兆円割れは9営業日連続だ。値上がり銘柄数は564、値下が り922、国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比0.7%安の45.64 と小幅続落、東証マザーズ指数は0.5%高の368.86と4日ぶりに反発。

-- Editor:Shintaro Inkyo

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