日本株は09年3月来安値、欧州危機深刻化を警戒-底見えず不安助長

東京株式相場は下落し、TOPI X、日経平均株価ともに終値で2009年3月以来の安値を付けた。ドイ ツ国債の入札不調などから欧州債務危機が深刻化し、世界経済に悪影 響を及ぼす可能性に警戒感が強まった。電機や機械、証券、海運、商 社、鉄鋼といった景気敏感業種を中心に幅広く安い。

TOPIXの終値は前営業日比11.71ポイント(1.6%)安の

706.08と、09年3月12日以来の安値。日経平均株価は同149円56 銭(1.8%)安の8165円18銭と、同3月31日以来の安値で終了。

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの中尾剛也シニア・ インベストメントマネジャーは、株価収益率(PER)や株価純資産 倍率(PBR)といったバリュエーションは割安水準に入ってきてい るが、「過去の経験が通用しない局面」と指摘した。投資家の総リスク オフといった需給的な要因が大きく、ファンダメンタルズで説明つか ない相場であり、調整の幅や期間を判断できず、「下値めども見出しづ らく、困っている」と言う。

ドイツ政府が23日実施した10年物国債(22年1月償還)の入札 は、応札額が募集額を35%下回る「札割れ」となった。このほか欧州 では、格付け会社フィッチ・レーティングスが23日、フランスはさら なる経済的衝撃があれば、最上級の「AAA」の信用格付けがリスク にさらされることになるとの見解を示した。

西欧債CDSは最高、ユーロ安も進む

欧州債務危機が悪化しているとの懸念が強まり、23日のクレジッ ト・デフォルト・スワップ(CDS)市場では西欧の国債15銘柄のC DSスプレッドから成るマークイットiTraxx・SovX西欧指 数が8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の376bpと 過去最高を記録。為替市場では、投資家が欧州域内資産を敬遠すると 懸念され、一時1ユーロ=102円93銭と約1カ月半ぶりの円高・ユー ロ安水準を付けた。

また、財政問題の深刻化を背景に、欧州では銀行が他行の破綻を 警戒し、銀行間市場で資金を出すことに慎重姿勢だ。ドル建ての3カ 月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)は、8月以降に上昇基調 を強め、23日時点で0.51%と約1年4カ月ぶりの高水準にある。カウ ンターパーティリスクの増大が、銀行のドル調達コストであるLIB ORの上昇に反映され、銀行の貸し渋りなどを通じた「経済への悪影 響が懸念される」と、東洋証券の大塚竜太情報部長は話していた。

米商務省が22日に発表した第3四半期(7-9月)の実質国内総 生産(GDP)改定値は、前期比年率2%増と速報値の2.5%増から 下方修正。欧州では、11月のユーロ圏総合景気指数速報値が47.2と、 拡大と縮小の分かれ目となる50を3カ月連続で下回り、中国では英H SBCホールディングスなどによる11月の中国製造業購買担当者指 数(PMI)速報値が48と、09年3月以来の低水準に沈んだ。

トヨタやキヤノン、野村HLDが52週安値

欧州情勢への懸念、ユーロ安・円高、欧米中の経済指標悪化が嫌 気され、東証1部の業種別33指数は証券・商品先物取引、海運、水産・ 農林、パルプ・紙、その他製品、医薬品、卸売、機械、鉄鋼、電機な ど32業種が下落。いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、「欧州情 勢は事態が一向に好転しないまま、時間だけが過ぎている」と指摘。 欧州中央銀行(ECB)が欧州金融安定化基金(EFSF)に資金供 給できる体制を整備し、欧州の民間銀行の資本増強を早期に可能にす るよう促す「『催促相場』の様相を強めている」と話していた。

売買代金上位では武田薬品工業、グリー、コマツ、日立製作所、 ファナックが下落。トヨタ自動車、キヤノン、三菱UFJフィナンシ ャル・グループ、野村ホールディングスは52週安値を更新した。

野村HLDに関しては、複数の投資会社に野村不動産ホールディ ングスと野村総合研究所の売却可能性について打診したことが分かっ た、と英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が22日に報道。また 24日付の朝日新聞朝刊は、野村が人員削減数を従来の380人から1000 人規模に増やすことが分かった、と伝えた。

セリング・クライマックス遠い

午前後半は下げ渋ったきょうの日本株だが、午後に入ると終盤に かけて再び下値模索となり、TOPIX、日経平均ともこの日の安値 圏で終えた。国際通貨基金(IMF)が23日にウェブサイトで公表し た報告書で、日本の国債利回りが現行水準から上昇すれば、日本の債 務が早急に持続不能になる恐れがあると指摘したことを受け、先物主 導で売り圧力が強まった。

東洋証の大塚氏によると、薄商いの中で「セリング・クライマッ クス(売り圧力の最終局面)的なムードがなかなか出てこない」とい う。東証1部の売買高は概算で14億9591万株、売買代金は9232億円。 代金の1兆円割れ、これで8営業日連続となった。値下がり銘柄数が 1315、値上がり238。33業種で上げたのは空運の1業種。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前営業日比0.7%安の45.96 と反落、東証マザーズ指数は1.9%安の367.14と3日続落。

-- Editor:Shintaro Inkyo

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