債券は続落、日本国債格下げ言及を嫌気-長期金利は約2週ぶり高水準

債券相場は続落。米国市場で債券 高・株安となった流れを引き継いで買いが先行したが、午後に入ると 高値警戒感などから売りが優勢になって下げに転じた。米格付け会社 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が日本国債格下げの可能 性に言及したことも嫌気されて相場は終盤にかけて一段安となった。

UBS証券の伊藤篤シニア債券ストラテジストは、ドイツ国債入 札で応札が募集を下回る札割れとなった直後であり、「格下げの可能性 という発言もネガティブに効いている」と話した。「円債市場で差し迫 った金利上昇リスクはないものの、さすがに気持ち悪い感じ。高値圏 で推移していたこともあり、売りが優勢となった」とも言う。

東京先物市場で中心限月12月物は、前営業日の22日終値比10 銭高の143円06銭で始まり、直後に143円07銭まで上昇。その後は 伸び悩み、午後に入ると下げに転じた。一時は22銭安の142円74銭 と14日以来の安値を付け、結局は16銭安の142円80銭で引けた。12 月物はその後の夜間取引で一段安。142円50銭台まで下落している。

S&Pの信用アナリスト、小川隆平氏(シンガポール在勤)は24 日、日本の財政健全化の取り組みについて、「何も進まなければ、どん どん状態は悪くなる」とした上で、日本国債の格付けに関して「だか ら確かにダウングレードに近くなるというのはそうなのかもしれない」 との見方を示した。

S&Pは今年1月、日本の外貨・自国通貨建ての長期国債格付け を最上位から3番目の「ダブルA」から、「ダブルAマイナス」に1段 階格下げしたと発表。4月には震災発生を受け、格付け見通しを「安 定的」から「ネガティブ」に変更している。

また、国際通貨基金(IMF)は23日にウェブサイトで公表した 報告書で、日本国債の利回りが急上昇すれば、世界の資本市場から流 動性が突然失われ、為替相場の「破壊的な調整」のリスクがあるとの 見解を明らかにした。

長期金利は0.995%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは、同0.5ベーシスポイント(bp)低い0.96%で取引を開始し、午 前は同水準で推移。午後に入ると徐々に水準を切り上げ、午後5時前 には3bp高い0.995%と7日以来の高水準を付けた。

5年物の100回債利回りは1bp高い0.32%。22日に入札された 20年物の131回債利回りは1bp高い1.73%。午前は1.715%に低下し ていた。一方、30年物の35回債利回りは0.5bp低い1.91%。

SMBC日興証券の野地慎シニア債券為替ストラテジストは、「日 経平均株価が年初来安値を更新しており、市場のリスク許容度が低下 している」と指摘。海外市場での「株安・債券高というロジックも通 用しなくなり、益出し売りが出る心配もある」とみていた。日経平均 株価は一時1.9%安の8157円まで下げ、東日本震災直後に付けた取引 時間中の年初来安値(8227円、3月15日)を下回った。

朝方は買いが先行

朝方は米国市場動向を引き継いで買いが先行した。23日の米国債 相場は上昇。欧州債務危機が波及するとの懸念から逃避需要が強まる 中、7年債入札(規模290億ドル)では最高落札利回りが過去最低を 記録した。米10年債利回りは3bp低下し1.89%。10月上旬以来の低 水準。一方、米株式相場は大幅安。S&P500種株価指数は2.2%安の

1161.79と6日続落した。

ドイツ政府が23日実施した10年物国債の入札は、応札額が募集 額を35%下回る「札割れ」となった。債務危機で投資家の欧州離れが 進みつつあるとの懸念が広がった。みずほインベスターズ証券の落合 昂二チーフマーケットエコノミストは「ドイツは、イタリアやベルギ ーなどの債務問題を引き受けなければいけないという懸念が強い」と 解説した。

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