フィッチ:フランスは一段の衝撃あれば「AAA」格付けにリスク

格付け会社フィッチ・レーティン グスは23日、フランスはさらなる経済的衝撃があれば最上級の「AA A」の信用格付けがリスクにさらされることになるとの見解を示した。

フィッチはリポートで、フランスでは「政府債務の増大によって、 『AAA』格付けの基盤を弱めることなく一段の負の衝撃を吸収する 財政の余力がほぼ使い尽くされた」と指摘。第一の懸念は「ユーロ圏 危機の深刻化が偶発債務を生み、それが国家のバランスシート上に具 現化することだ」と分析した。

フィッチはフランスの「AAA」格付けを維持し、見通しは「安 定的」としながらも、ムーディーズ・インベスターズ・サービスとス タンダード・アンド・プアーズ(S&P)に続き、債務危機に対する同 国の脆弱(ぜいじゃく)性を指摘した。フランス国債のドイツ国債に 対するプレミアム(上乗せ金利)は先週上昇し、20年間で最大になっ た。

2年余り前にギリシャで始まった危機はアイルランドとポルトガ ルを飲み込んだ後、イタリアとスペインにも波及、フランスにまで迫 っている。ドイツのメルケル首相は危機解決策としてのユーロ共同債 構想への反対姿勢を崩さず、欧州中央銀行(ECB)は国債購入の拡 大を求める声に抵抗しており、欧州各国政府は有効な解決策の策定で 苦戦している。

借り入れコスト

パリ時間23日午後3時4分(日本時間同午後11時4分)現在、 フランスとドイツの10年債利回り格差は168ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)。17日は200bpと、1990年以来最大となり、4月 の28bpから拡大した。フランスの10年債利回りは3.69%。

フィッチによると、フランスは高債務国の救済基金である欧州金 融安定ファシリティー(EFSF)に1585億ユーロ(約16兆円)の 保証を付与している。この保証が最大限に利用された場合、政府債務 は対国内総生産(GDP)比95%まで上昇する。この水準はフランス の「AAA」維持と整合性の取れる範囲の上限にあたり、国内銀行に 資本注入するなど、追加のショックを吸収する余裕がほとんどなくな るという。

フィッチは現在のところ、フランスの銀行が政府の追加支援を求 めたりすることは予想していないと述べた。

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