NY外為:ユーロ、対ドルで7週ぶり安値に接近-独首相発言で

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24日のニューヨーク外国為替市 場ではユーロがドルに対して7週間ぶり安値に接近した。ドイツの メルケル首相がユーロ共同債について「誤ったシグナルを送ること になる」と発言したため、共同債が欧州債務危機の解決策となり得 るとの楽観的見方が後退した。

ユーロは対円で朝高から下げに転じ、2日連続の下落。オース トラリア・ドルは上昇。投資家の欧州離れで、分散化に伴う買いが 入っているとの観測がある。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダのRBCキャピタル・マーケ ッツ部門のシニア為替ストラテジスト、デービッド・ワット氏(ト ロント在勤)は「メルケル発言は一段の統合を示唆していない」と 指摘した。

ニューヨーク時間午後2時20分現在、ユーロはドルに対して前 日比0.1%弱下げて1ユーロ=1.3338ドル。23日は1.3320ドルま で下落し、先月6日以来の安値を付けた。対円では0.3%安の1ユ ーロ=102円88銭。円はドルに対し0.2%高の1ドル=77円14銭 で取引されている。

メルケル首相は仏ストラスブールで、サルコジ仏大統領、イタ リアのモンティ首相との会談後に記者会見し、共同債は直ちにユー ロ圏内の金利を収束させると指摘。「そうすれば、われわれは危機の 前に立っていた地点に戻ってしまう」と語った。

ドイツ経済指標

ユーロは対ドルで堅調になる場面もあった。ドイツの企業景況 感の改善と経済成長率の加速がユーロ買いを誘った。

11月の独Ifo企業景況感指数は106.6と、前月の106.4から 上昇。ドイツ連邦統計庁が24日発表した7-9月期国内総生産(G DP)改定値(季節調整済み)は前期比0.5%増と、今月15日公表 の速報値と一致。4-6月(第2四半期)の0.3%増から伸びが加 速した。

カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CI BC)の外為戦略担当エグゼクティブディレクター、ジェレミー・ ストレッチ氏(ロンドン在勤)は「リスク許容度は幾分改善してい るようだ」としながらも、「リスク許容でわずかな改善が見られたり、 ユーロが小幅に反発しても、必ずしも深追いしたくない」と語った。

ストレッチ氏はまた、米感謝祭の祝日により出来高が通常より 少ないため、値動きが増幅された可能性があると指摘した。

円は上昇

円は対ユーロのほか、主要16通貨の大半に対しても上昇した。 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が日本に は財政健全化の取り組みが不足しており、格下げのリスクにつなが ると指摘したものの、円はメルケル発言を材料に買い進まれた。

S&Pの信用アナリスト、小川隆平氏(シンガポール在勤)は 24日午後、ブルームバーグ・ニュースのインタビューで、日本の財 政健全化の取り組みについて、「何も進まなければ、どんどん状態は 悪くなる」とした上で、日本国債の格付けに関して「だから確かに ダウングレードに近くなるというのはそうなのかもしれない」と述 べた。

格付け会社フィッチ・レーティングスは、ポルトガルの信用格 付けを 1段階引き下げジャンク級(投機的格付け)とした。同国の 債務が拡大し、景気が減速する傾向にあることが理由。

豪ドルは4日ぶりに上昇。欧州債務危機の中で、投資家が持ち 高を分散化するために買いを入れているとの観測がある。

スタンダードチャータード銀行の通貨調査世界責任者のカラ ム・ヘンダーソン氏(シンガポール在勤)は「高利回り通貨の一部 がわずかに反発している。豪ドルなど資源国通貨は引き続き外貨準 備の分散化から幾分恩恵を受けている」と述べた。

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