11月23日の欧州マーケットサマリー:ドイツ債下落、入札で札割れ

欧州の為替・株式・債券・商 品相場は次の通り。(表はロンドン午後6時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3358 1.3505 ドル/円 77.36 76.97 ユーロ/円 103.33 103.96

株 終値 前営業日比 変化率 ダウ欧州株600 220.31 -2.96 -1.3% 英FT100 5,139.78 -67.04 -1.3% 独DAX 5,457.77 -79.62 -1.4% 仏CAC40 2,822.43 -48.25 -1.7%

債券 直近利回り 前営業日比 独国債2年物 .45% +.06 独国債10年物 2.15% +.23 英国債10年物 2.14% -.03

商品 直近値 前営業日比 変化率 金 現物午後値決め 1,681.00 -18.00 -1.07% 原油 北海ブレント 107.17 -1.86 -1.71%

◎欧州株式市場

23日の欧州株式相場は下落。ストックス欧州600指数は5営業 日続落となり、8月以降で最長の下げ局面を迎えた。ドイツ政府がこ の日実施した10年物国債入札が札割れとなり、嫌気された。

世界2位の鉱山会社で英・オーストラリア系のリオ・ティントが 安い。豪下院が石炭と鉄鉱石事業の利益に課税する法案を可決したこ とが手掛かり。コンピューターサービスを手掛ける英・オランダ系の ロジカは4.2%値下がり。同社の投資判断をジェフリーズ・グルー プが引き下げた。フランス・ベルギー系金融機関デクシアは大幅高。

ストックス欧州600指数は前日比1.3%安の220.31で終了。 ここ5営業日で7.1%下げた。イタリアやスペイン、フランスの国 債利回りが上昇し、ギリシャに端を発した債務危機がユーロ圏の経済 規模の大きい国々に広がっているとの懸念が高まったためだ。

この日の独10年債入札では、募集60億ユーロ(約6200億円) に対し応札額は38億8900万ユーロと、発行予定上限を35%下回 った。ドイツ連邦銀行(中央銀行)の発表によれば、2022年1月償 還債は利回り1.98%で発行された。

エクサーヌBNPパリバのクロスセクター調査責任者、デービッ ド・フィンチ氏は「悪いニュースがまた増えた」と述べ、「ユーロ圏 で安定しているはずの国々にまで感染が広がっている。リスク回避が 加速している感じだ」と語った。

この日の西欧市場では、全18カ国で主要株価指数が下落しなか ったのは1カ国のみ。リオ・ティントは2.3%安の2985.5ペンス で終了。ロジカの終値は67.6ペンス。デクシアは13%高の

0.269ユーロ。ルクセンブルクのフリーデン財務相はこの日、同国 部門を売却した後に残るデクシアの資産への政府支援に関して、協議 が「乗り越えられない難題」に見舞われることはないと語っている。

◎欧州債券市場

23日の欧州債相場は総じて下落し、利回りが上昇した。ドイツ 政府がこの日実施した10年債入札で札割れとなったことから、域内 債務危機で投資家の欧州離れが進みつつあるとの懸念が強まった。ユ ーロも下げた。

サウスウェスト・セキュリティーズ(米フロリダ州フォートロー ダーデール)のマネジングディレクター、マーク・グラント氏は電子 メールで「この入札は大惨事以外の何ものでもない」として、「欧州 で最強の国ですら資金調達がこのように難しいのなら、他の欧州諸国 の今後の入札について考えただけでもぞっとする」と語った。

2年余り前にギリシャで始まった危機はアイルランドとポルトガ ルを飲み込んだ後、イタリアとスペインにも波及、フランスにまで迫 っている。そしてリスクはドイツにも及ぶ恐れが出てきた。ドイツの メルケル首相は危機解決策としてのユーロ共同債発行への反対姿勢を 崩さず、欧州中央銀行(ECB)は国債購入の拡大を拒否しており、 欧州各国政府は有効な解決策の策定で苦戦している。

ロンドン時間午後4時46分現在、ドイツ国債(表面利率

2.25%、2021年9月償還)の利回りは前日比15ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上昇の2.06%、価格は1.370下げ

101.550となっている。

CMAによると、ドイツ国債の保証コストを示すクレジット・デ フォルト・スワップ(CDS)スプレッドは7bp上昇し108bp。 ユーロの対ドル相場は一時、前日比1.3%安の1ユーロ=1.3327 ドルまで売り込まれた。

ベルギー10年債利回りは41bp上げ5.48%。一時は5.53% まで上昇、2000年11月以来の最高を記録。フランス10年債利回 りは16bp上昇し3.69%。ギリシャ2年債利回りは120%を初め て突破した後、116.59%まで戻した。

札割れ

ドイツ連邦銀行(中央銀行)によると、この日の10年債 (2022年1月償還)入札では募集額の60億ユーロ(約6200億円) に対し応札額は38億8900万ユーロにとどまった。

RBCキャピタル・マーケッツの欧州金利ストラテジスト、ノー バート・アウル氏は電子メールで配布したリポートで、ドイツが行っ た過去8回のうち6回の入札で応札額が最大目標に達せず「技術的に 札割れだった」と指摘した。

欧州国際政治経済研究所(ECIPE)のフレドリク・エリクソ ン所長は電話インタビューで、「ドイツは市場の動向から隔離され得 るという考えが一部であったが、それは夢想でしかなかった」として、 「ユーロ圏のシステミックな危機はドイツのように支払い能力が十分 で経済の競争力が高い国まで蝕もうとしている。同じユーロ圏にいる ことで、危機はドイツにも広がりつつある」と語った。

◎英国債市場

23日の英国債相場は3日続伸。10年債と30年債の利回りは過 去最低を記録した。イングランド銀行(英中央銀行)がこの日公表し た金融政策委員会(MPC)議事録で、一部メンバーが量的緩和拡大 が必要となるとの見解を示したことが明らかになった。これを手掛か りに買い進まれた。

欧州債務危機の悪化懸念を背景に世界株安となったことも支援材 料。議事録によると、キング総裁以下9人から成るMPCは政策金利 を過去最低の0.5%に据え置き、資産買い取りプログラムの規模を 2750億ポンドに維持することを全会一致で決めた。

ダンスケ銀行のチーフアナリスト、ジョン・ハイデスコフ氏(ロ ンドン在勤)は、議事録の「トーンは極めてハト派的だった。英中銀 が追加刺激策を講じるのは当然だ。2012年1月に資産買い取り規模 が500億ポンド拡大されると見込んでいる」と語った。

ロンドン時間午後4時54分現在、10年債利回りは前日比4ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.14%。一時は

2.104%まで下げ、ブルームバーグがデータ集計を開始した1992 年以来の最低を付けた。同国債(表面利率3.75%、2021年9月償 還)価格はこの日、0.460上げ114.290。

30年債利回りは過去最低となる3.055%まで下げた後、6bp 低下の3.07%となった。

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