ドイツ国債入札で札割れ、「大惨事」の衝撃で危機懸念さらに高まる

ドイツ政府が23日実施した 10年物国債の入札は、応札額が募集額を35%下回る「札割れ」とな った。債務危機で投資家の欧州離れが進みつつあるとの懸念が広がっ た。

サウスウェスト・セキュリティーズ(米フロリダ州フォートロー ダーデール)のマネジングディレクター、マーク・グラント氏は電子 メールで「この入札は大惨事以外の何ものでもない」として、「欧州 で最強の国すら資金調達がこのように難しいなら、他の欧州諸国の今 後の入札について考えただけでもぞっとする」と論評した。

2年余り前にギリシャで始まった危機はアイルランドとポルトガ ルを飲み込んだ後、イタリアとスペインにも波及、フランスにまで迫 っている。リスクはドイツにも及ぶ恐れが出てきた。ドイツのメルケ ル首相は危機解決策としてのユーロ共同債発行への反対姿勢を崩さず、 欧州中央銀行(ECB)は国債購入の拡大を拒否している。

この日の10年債(2022年1月償還)入札では、募集額の60 億ユーロ(約6200億円)に対し応札額は38億8900万ユーロにと どまった。ドイツ連邦銀行(中央銀行)の資料が示した。平均落札利 回りは1.98%。

「ドイツは隔離、との考えは夢想」

欧州国際政治経済研究所(ECIPE)のフレドリク・エリクソ ン所長は電話インタビューで、「ドイツは市場の動向から隔離され得 るという考えが一部であったが、それは夢想でしかなかった」として、 「ユーロ圏のシステミックな危機はドイツのように支払い能力が十分 で経済の競争力が高い国まで蝕もうとしている。同じユーロ圏にいる ことで、危機はドイツにも広がりつつある」と語った。

国債発行を管理する連邦当局のミューラー報道官は、入札の需要 の弱さで政府の財政運営にリスクが生じることはないと述べた。当局 は36億4400万ユーロを投資家に割り当て、23億5600万ユーロ (39%)は独連銀が保持した。連銀はこれを流通市場で売却するこ とができる。午前11時37分現在、2021年9月償還の既発債利回 りが4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し1.96% を付けた。ユーロは入札後に一時、ドルに対して1%下げた。

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