日本人投資家、ドイツ国債から英国債にシフト-欧州危機の深刻化受け

日本人投資家は今年に入って外債 の中で英国債を最も多く購入した。欧州が債務危機の封じ込めに苦戦 する中で、ユーロ圏外の国債への逃避の動きが加速した。

財務省が9日に発表したデータによると、日本人投資家による1 月から9月末までの英国債の購入は1兆5300億円に達し、このままな ら年間ベースで08年以来最大になる見通し。日本人投資家による売却 は、ドイツ国債が約1兆4600億円と最も大きく、次にイタリアとアイ ルランドの国債が続いた。08年から10年までは、米国債が外債購入 額トップだった。

英国債の需要増を受け、ドイツ国債との10年債利回り格差は3カ 月ぶり低水準になった。また、日本国債との利回り格差は先週、少な くとも20年間で最低になった。投資家が欧州から資金を引き揚げてい ることから、イタリアやスペインの国債利回りはユーロ導入以来の最 高水準になった。こうした状況を踏まえて、ニッセイアセットマネジ メント・三菱UFJ投信・みずほ投信投資顧問の3社は、英国債につ いて強気な見方を示している。3社の運用資産は合計1920億ドル。

ニッセイアセットマネジメント債券運用部債券第1運用室の國部 真二チーフ・ポートフォリオ・マネジャーは、安全な避難先として英 国債を選好すると述べるとともに、質への逃避はかなり加速している ようにみえるので、こうした動きが続くようならドイツも影響を免れ ないとの見方を示した。

國部氏は16日の電話インタビューで、日本生命の一部門であるニ ッセイが、ユーロ建て債券を英国債に入れ替えていることを明らかに した。

英中銀の購入

イングランド銀行(英中央銀行)が先月、量的緩和政策による景 気テコ入れのため、資産買い取りプログラムの規模を2750億ポンド (約33兆円)に拡大することを決めたことを受け、英国債利回りは過 去最低水準に落ち込んだ。キング総裁はオズボーン財務相宛ての書簡 で、英インフレ率が向こう6カ月以内に急低下するとの見通しを 示した。

ブルームバーグのデータによると、英10年債利回りは16日に

2.11%、30年債利回りは17日に3.06%に低下し、少なくともデータ の開始以来最低の水準になった。英国と独国債の10年債利回り格差は 15日、25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に縮小した。こ れは8月18日以来の低水準。英国と日本の10年債利回り格差は15 日、119bpに低下し、ブルームバーグのデータが開始した1989年以来 最低となった。

PIMCO

三菱UFJ投信の下村英生チーフファンドマネジャーは、英10 年債利回りは年末までに2%に低下すると予想した。同氏はリセッシ ョンの恐れがあり、大規模な量的緩和が行われているとの見方を示し た。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は 14日付のリポートで、英中銀の英国債買い入れで他のソブリン債より も魅力が増す可能性があるとの判断を示した。同リポートはポートフ ォリオマネジャーのケティッシュ・ポサリンガム、ルーク・スパジク 両氏が執筆した。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ指数によると、英国債の 年初来リターンは22日現在で15%となっているのに対して、独国債 は8.2%、米国債が9.3%、日本国債は2.1%。

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