NY外為(22日):円が対ユーロで下落、安全資産の需要弱まる

ニューヨーク外国為替市場で は円が対ユーロで下落。政策当局が欧州ソブリン危機への対策を進め ているとの観測が広がり、安全資産の需要が弱まった。

ユーロは対ドルで上昇。国際通貨基金(IMF)が外的ショック に直面する国々の流動性需要に配慮し、信用枠プログラムを改正した ことが背景にある。格付け会社が米国の格付けを引き下げなかった一 方、第3四半期の米実質国内総生産(GDP)は予想を下回る増加率 となった。こうした材料を背景にユーロはもみ合う場面もあった。ド ルは米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が公開された後も軟 調に推移。カナダ・ドルは同国最大の輸出品目である原油の価格上昇 を背景に値上がりした。

テンパス・コンサルティングの資本市場担当シニアバイスプレジ デント、グレッグ・サルバッジオ氏(ワシントン在勤)は「IMFの ニュースに反応してユーロが対ドルで上昇した。この材料が効いてい る間は、1ユーロ=1.35ドルを下回るほどに押し下げる要因は何もな い」と指摘した。

ニューヨーク時間午後3時36分現在、ユーロは円に対して前日 比0.3%高の1ユーロ=103円99銭。対ドルでは0.2%上げて1ユ ーロ=1.3513ドル。一時0.6%高まで上昇したが、0.1%安に下げ る場面も見られた。ドルは円に対して0.1%上げて1ドル=76円97 銭となっている。

欧州委員会のバローゾ委員長はイタリアのマリオ・モンティ新首 相率いる内閣について、財政赤字の縮小や景気の底上げに成功すると 期待していると発言。これを受けてユーロは上昇した。バルニエ委員 (域内市場・金融サービス担当)は、銀行破綻時の債権者の評価損計 上に関する法案の詰めに入っていることを明らかにした。

IMF融資プログラム

IMFは22日、新たに導入する「予防的流動性枠(PLL)」 について、経済が強固でありながら短期流動性を確保する必要性に迫 られた国が活用できる制度と説明した。

欧州銀行のドル調達コストは7日ぶりに低下。前日は3年ぶり高 水準を付けていた。ブルームバーグがまとめたデータによれば、銀行 がユーロ建ての支払いをドル建てにスワップする際のコストを示す3 カ月物クロス通貨ベーシススワップは、欧州銀行間取引金利(EUR IBOR)を1.34ポイント下回った。

シュナイダー・フォーリン・エクスチェンジの市場分析責任者、 スティーブン・ガロ氏(ロンドン在勤)は「IMFと中央銀行は流動 性不足への対応や支援で一層の介入を行う可能性があるが、まだバズ ーカ砲と呼べるものではない」とし、「上位の欧州銀行が高いコストを 払ってドルを調達しており、為替スワップ市場を利用することも厭わ ない。欧州中央銀行(ECB)から借り入れていると知られ、悪評が 立つことを避けたいからだ」と解説した。

米格付け据え置き

米商務省が22日に発表した2011年第3四半期(7-9月)の 実質GDP改定値は前期比年率2%増と、速報値の2.5%増から下 方修正された。

カナダ・ドルは米ドルに対して0.2%高の1米ドル=1.0377 加ドル。イランに対する制裁強化やエジプトの反政府運動の高まり を背景に原油供給が滞るとの懸念が広がり、原油価格は4日ぶり上 昇。これを受けてカナダ・ドルは対ドル主要取引通貨の中で最も上 げた。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、前 日の議会超党派特別委員会で財政赤字削減の合意が達成されなかっ たことについて、米国の格付け「AA+」に影響はないとし、見通 しは「ネガティブ」を維持すると発表した。ムーディーズ・インベ スターズ・サービスも米格付けを「Aaa」、見通しは「ネガティ ブ」で据え置いた。

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