11月22日の欧州マーケットサマリー:スペイン債、落札利回り上昇

欧州の為替・株式・債券・商 品相場は次の通り。

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3517 1.3489 ドル/円 77.01 76.89 ユーロ/円 104.09 103.71

株 終値 前営業日比 変化率 ダウ欧州株600 223.27 -1.49 -.7% 英FT100 5,206.82 -15.78 -.3% 独DAX 5,537.39 -68.61 -1.2% 仏CAC40 2,870.68 -24.26 -.8%

債券 直近利回り 前営業日比 独国債2年物 .39% -.02 独国債10年物 1.92% +.00 英国債10年物 2.17% -.03

商品 直近値 前営業日比 変化率 金 現物午後値決め 1,699.00 -3.00 -.18% 原油 北海ブレント 109.22 +2.34 +2.19%

◎欧州株式市場

22日の欧州株式相場は続落。ストックス欧州600指数は前日 に3週間ぶり大幅安となっていた。米国の格付けは議会の超党派特別 委員会で財政赤字削減に関する合意が不成立となった後も維持された が、ユーロ圏の借り入れコストは上昇し、これが嫌気された。

フランス・ベルギー系金融機関デクシアを中心に銀行株が安い。 ベルギー債利回りは2008年以来の高水準となった。ドイツのコメル ツ銀行は15%下落。追加の資本増強が必要になる可能性があるとの ロイター通信の報道が手掛かり。フィンランドの携帯電話メーカー、 ノキアも下げた。スマートフォン(多機能携帯端末)の出荷が予想を 下回ったと懸念された。一方で、英ブリティッシュ・ランドなど不動 産銘柄は高い。

ストックス欧州600指数は前日比0.7%安の223.27で終了。 米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とムーデ ィーズ・インベスターズ・サービスが米国の格付けを引き下げなかっ たことを好感し、1%上昇する場面もあった。

RCMのルーシー・マクドナルド最高投資責任者(CIO)はブ ルームバーグテレビジョンで、「状況は白黒はっきりしているかのよ うに指摘されるが、実情はもっと複雑だ」と指摘。「これこそが問題 であり、変動性をもたらす原因になっている。起こり得るシナリオが 幾多もある」と付け加えた。

ストックス欧州600指数は21日、米議会の超党派委員会が財 政赤字削減で合意できないもようとなって米格下げが懸念されたこと から、1日以来の大幅安を演じていた。しかし、S&Pもムーディー ズも合意不成立の発表後にそれぞれ格付けを維持した。

22日実施されたスペインの入札では、3カ月物証券の平均落札 利回りが前回入札時の2倍余りとなり、2年債利回りが上昇。ベルギ ーの10年債利回りは5%を上回り、ユーロ圏危機拡大懸念が広がっ た。この日の西欧市場では、全18カ国で主要株価指数が下落した。

デクシアは8.1%安の0.239ユーロで終了。コメルツ銀の終値 は1.15ユーロ。ロイターが同行内部の見積もりに詳しい匿名の関係 者の話として報じたところによると、欧州銀行監督機構(EBA)が 銀行規制を強化した場合、コメルツ銀は約50億ユーロ(約5206億 円)の追加資本が必要となる可能性がある。ノキアは8.8%下げ

4.19ユーロ。ブリティッシュ・ランドは1.5%高の461ペンスと なった。

また、欧州2位の旅行会社、英トーマス・クック・グループは 75%下落の10.2ペンス。同社は資金繰りで金融機関と再び協議を 進めている。

◎欧州債券市場

22日の欧州債市場ではスペイン国債が下落し、2年債利回りは 2000年以来の高水準に近づいた。債務削減に向けたスペイン新政権 の取り組みが難航するとの懸念が高まる中、この日の国債入札で借り 入れコストが前回入札を上回ったことが手掛かりとなった。

スペイン10年債は続落。20日の総選挙で勝利した国民党のマ リア・ドロレス・デ・コスペダル書記長は、同国の債務「支払い能力 を維持し、保証する」ためのユーロ圏の合意を呼び掛けた。

ベルギー10年債利回りは9年ぶり高水準に達した。連立政権の 協議行き詰まりが影響した。債務危機の拡大懸念から、ドイツ国債に 対するイタリアとフランス、オーストリアの国債の利回り上乗せ幅 (スプレッド)が拡大した。

ソシエテ・ジェネラル(パリ)の金利戦略責任者、バンサン・シ ェニョー氏は「銀行や国家の資金調達に関する懸念が市場で鮮明にな っている」と述べ、「強い政治的な行動が必要とされており、市場に はかなりの緊張感がある」と続けた。

ロンドン時間午後4時10分現在、スペイン2年債利回りは前日 比18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の5.76%。 17日には5.83%まで達し、2000年8月以来の最高となった。同国 債(表面利率2.5%、2013年10月償還)価格は0.295下げ

94.185。先週発行された2022年1月債の利回りは2日連続で7% を上回っている。

スペイン政府がこの日入札した3カ月物債の平均落札利回りは

5.11%。10月25日の前回入札の2.292%を上回り、少なくとも 04年以来の高水準となった。6カ月物債の平均落札利回りは

5.227%(前回入札は3.302%)。

ベルギー国債

ベルギー国債は下落。連立政権を目指す6党の協議が財政赤字の 削減方法をめぐって決裂したことを受け、同協議を率いていたワロン 系社会党(PS)のディルポ党首は辞任の意向を表明した。2012年 に拡大が見込まれている財政赤字の抑制策がまとまらない場合、ベル ギーは早ければ来月にも欧州連合(EU)の制裁対象となる可能性が ある。

ベルギー10年債利回りは前日比26bp上昇し5.08%。一時は

5.10%まで上げ、02年7月以来の高水準を付けた。独10年債に対 するスプレッドは317bpに拡大し、17日に記録したユーロ導入以 後の最大である321bpに接近した。

イタリア国債は続落。2年債利回りは42bp上げ6.82%と、 10年債利回りの6.80%を上回った。関係者3人によれば欧州中央 銀行(ECB)はこの日もイタリア国債を購入していたが、相場の支 援要因とはならなかった。

フランス10年債も下げ、独10年債とのスプレッドは7bp広 げ162bp。オーストリアとドイツの国債利回り格差は11bp拡大 の159bpとなった。

◎英国債市場

22日の英国債相場は続伸。景気が減速する中、23日公表され るイングランド銀行(英中央銀行)の金融政策委員会(MPC)議事 録で当局者が量的緩和拡大に傾きつつある姿勢が示されるとの見方か ら買いが優勢となった。

10年債利回りは過去最低まで4ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)未満となった。MPCメンバーのデービッド・マイル ズ委員はこの日、英景気回復が失速し、成長率は「ゼロに近い水準」 に落ち込んだとの見解を示した。英公債管理局(DMO)によれば、 英政府は35億ポンド相当のインフレ連動債を銀行団を通じて発行し た。これも相場の押し上げ要因となった。

ロイズ・バンク・コーポレート・マーケッツ(ロンドン)の金利 ストラテジスト、バトサラ・ダッタ氏は「英国だけでなく、世界景気 について懸念が続いている」と述べ、「他の最上級格付け国よりも英 国の国債パフォーマンスは優れている。銀行団を通じた債券発行では 約100億ポンドの応札があり、需要は予想以上だった」と続けた。

ロンドン時間午後4時24分現在、10年債利回りは前日比4b p下げ2.17%。一時は2.14%まで下げた。16日には2.107% と、ブルームバーグがデータ集計を開始した1992年以来の最低を 付けた。同国債(表面利率3.75%、2021年9月償還)価格はこの 日、0.335上げ113.895。2年債利回りは2bp低下し0.47%。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率) はプラス15%。これに対しドイツ国債はプラス8.3%、米国債はプ ラス9.4%となっている。

ニューヨーク・ニューズルーム   1-212-617-3007

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE