欧州危機、米に波及でも政策発動に限界か-FRBの手足縛る規制改革

【記者:Rich Miller】

11月22日(ブルームバーグ):欧州の債務危機が米国に波及した 場合、連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長や政策担当者 らが行う金融の安定回復の努力が妨げられる恐れがある。

昨年成立した米金融規制改革法(ドッド・フランク法)は、2008 年の金融危機でベアー・スターンズやアメリカン・インターナショナ ル・グループ(AIG)に行った特別融資のような形で、FRBが個 別の金融機関の救済に関与することを禁じている。財務省がマネー・ マーケット・ファンド(MMF)を支えるため、為替安定化基金を再 び活用することも議会によって禁止された。

ドナルド・コーン前FRB副議長(ポトマック・リサーチ・グル ープのシニアストラテジスト)は「政策担当者の手足を議会がどの程 度縛っているか」を投資家は理解しておらず、「金融当局が政策を発 動する余地が狭まっている」と話す。

コーン氏はその上で、FRBや他の政策担当者が金融のメルトダ ウン(崩壊)に対応して行動する自由を制限するという意味で、ドッ ド・フランク法は行き過ぎかもしれないと指摘。危機発生の頻度は少 なくなっても、起きた後の収束が困難になる恐れがあると警告する。

感染は同時発生も

欧州のソブリン債危機が米国に波及し、銀行業界と金融システム に打撃を与えることが現在の最大のリスクだ。バーナンキFRB議長 は「国際金融市場の緊密な結び付き」を理由に挙げ、米国も「欧州で の爆発の影響を免れることはできない」との見方を示す。

ジョン・デュガン元通貨監督庁(OCC)長官も「幾つもの感染 の問題が同時に発生し、さらに流動性の問題が加わった場合、自由に 対応できる余地が不十分なのではないか」と懸念を隠していない。

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