ボルドー産09年、「世紀のビンテージ」は誇大広告か-ワイン評

21世紀に入って12年もたたない うちにワイン業界とメディアは、またもや「世紀のボルドー産ビンテ ージワイン」だと宣言している。今回は2009年物のことだ。05年に も同様の宣伝文句が並べ立てられ、次の10年物のたる入りサンプルを 試飲した一部の人々はさらに極上の味わいだと語る。

「極上」や「素晴らしい」「最高」というような言葉は来年の春か 夏まで店舗に入荷されないワインの宣伝文句にもうたわれている。た る入りワインを試飲した批評家ロバート・パーカー氏は「09年物のメ ドックとグラーブで生産されたワインの一部は、私がボルドー産ワイ ンの批評を手掛けているここ32年で最高のビンテージワインになる かもしれない」と述べた。

06年物と07年物の二流のビンテージワインも高価だが、ボルド ー産ワインの価格は既に過去最高値に達している。ブルームバーグの ワイン批評家エリン・マッコイ氏は昨年、ロンドンのワイン販売業者 ベリー・ブラザーズ・アンド・ラッドが発売前の09年物700ケースを 提供したところ、1時間で完売し、オンライン受注分についてはコン ピューターがフリーズしたと報じた。

私は長年にわたり多くのたる入りワインを試飲し、たるの中身は 一つ一つかなり異なることが分かった。ブドウ園で勤務し全てのたる のワインを最初から味見するのでなければ、完成したワインを試飲す る方がビンテージの特徴を備えているかどうかを判断するにはずっと 賢明な方法だ。

だから私は10月にニューヨークのレストラン「フォーシーズンズ」 で開かれる毎年恒例のボルドーワイン祭りに喜んで出席した。ここで 試飲したのは09年物のビンテージワイン6種類。

議論の余地

これまでのように高揚感を感じるほどではないが、私はこれらの ワインの味わいに非常に満足した。私の懸念は走り書きしたメモに示 されている。そこには「09年物は実に良質なカリフォルニア産カベル ネブレンドのような味がする」と書かれている。それは、カリフォル ニア産ワインブレンドの味わいが複雑さを増していることだけが原因 ではない。既に地球温暖化の影響を受けているボルドー産のワインが、 より大味になり、育ち過ぎ、あえて言えば熟し過ぎているからだ。こ れは、批評家に好印象を与える傾向のあるスタイルだ。父親の世代の ボルドー産ワインではない。

ところで、それは問題なのだろうか。中国人の買い手が中心とな って過熱する国際市場では良質だろうが品質が今一つだろうがボルド ー産ビンテージワインに分類されてさえいれば全て買い尽くされてい る。

09年物の高級ワインは数千ドル、二流のブドウ園のワインは数百 ドルで販売されているが、これも「世紀のビンテージワイン」なのか どうかについては、かなり議論の余地がありそうだ。

(マリアニ氏はブルームバーグ・ニュースでワインについて執筆して います。この記事の内容は同氏自身の見解です)

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