東・大証が統合合意、13年1月合併-持株会社は東証1部上場へ

東京証券取引所 と大阪証券取引 所は22日、経営統合で合意したと発表した。まず東証が大証株の公開 買い付け(TOB)を行って大証を子会社化し、その後に大証を存続 会社として東証が吸収合併される。経営統合は持ち株会社方式とし、 合併の効力発生日は2013年1月1日。合併後は、早期に東証1部への 上場を目指す方針だ。

金融取引システムの発展による企業、投資家のグローバル化で国 境を越えた取引所間での競争が激化しており、取引所同士の合従連衡 の動きも進んでいる。日本の取引所がグローバルプレーヤーとして生 き残るため、規模の拡大によるコスト削減、取り扱い金融商品の多様 化よる競争力の強化が必要と両社は判断した。

22日の記者会見で東証グループの斉藤惇社長は、大証との統合意 義について「魅力ある金融商品提供などシナジー効果が期待できる。 ワンストップのシステム、制度を用意し、アジアの金融のハブになり たい」と強調。その上で、最終的には統合持ち株会社株の「すみやか な東証1部上場を目指す」意向を明らかにした。大証の米田道生社長 は、「互いの強み生かし統合で外部環境の変化に即応できる」と述べた。

大証に対するTOBは12年夏ごろとし、TOB価格は1株48万 円。発行済株式数の66.6%にあたる最大17万9999株を864億円で取 得する。合併に際しては、東証の1株に対し、大証の0.2019株を割り 当て交付する。企業価値を示す時価総額ベースの統合比率は、大証1 に対し、東証は1.7倍。22日の大証の時価総額1189億円から試算す ると、東証は2022億円になる。

CEOに東証斉藤氏、年70億円削減のメリット

統合持ち株会社の商号は「日本取引所グループ(仮称)」とし、最 高経営責任者(CEO)には東証グループの斉藤社長、最高執行責任 者(COO)には大証の米田社長がそれぞれ代表権を有する形で就任 する。持ち株会社の下には、現物市場運営会社、デリバティブ(派生 商品)市場運営会社、自主規制法人、清算機関の子会社を数年かけて 再編する予定。

統合によるメリットについては、システム統合による開発費・運 用費用の削減、デリバティブ(派生商品)清算機能の統合による投資 家の投資効率改善、利便性の向上による取引数量の増加などが予想さ れる。両社ではシステム関連で、年間70億円程度の費用が削減できる と試算している。

かつては世界2位だった日本の株式時価総額は、08年に初めて中 国に逆転を許して以来、相対的な地盤沈下が顕著となっていた。世界 取引所連盟の公表データによると、10月末時点の東証の上場株式時価 総額は3兆4281億ドル(約263兆円)、大証は2163億ドル(約17兆 円)。両取引所を合算すると、NYSEユーロネクストの11兆8837 億ドル(約912兆円)、ナスダックOMXの3兆9251億ドル(約301 兆円)に次ぎ世界3位の取引所規模となる。

「当然の帰結」と投資家

明治安田アセットマネジメントの福島毅執行役員は、「取引所がグ ローバルに合併している中で、出来高が減少している日本で取引所が 別々になっている意味はなく、合併は当然の帰結だ」と指摘。「政治的 な駆け引きではなく、お互いの強い部分を残し、投資家にとって使い やすいシステムを選択して欲しい」と言う。

大和証券キャピタル・マーケッツの塩田淳アナリストは、統合条 件について「時価総額ベースの統合比率は大証1に対して東証2、大 証に対するTOB価格は50万円をそれぞれ予想していた」とし、「時 価総額では東証側が、TOB価格では大証側がそれぞれ相手に歩み寄 ったイメージだ」とした。その上で、「東証が株式公開して時間がかか るのを避け、規模のメリットを早く追求するためにお互い歩み寄らざ るを得なかったのだろう」と指摘した。

大証ジャスダック市場のきょうの大証株終値は、前日比4.6%高 の44万500円だった。TOB比率が全体の3分の2にとどまることや、 時期が明確でないことによるディスカウントから、TOB価格に比べ

8.2%低い水準となった。

両社の統合については、3月に検討の動きが表面化。その後時期 や統合形態などをめぐり、双方間で協議を重ねてきた。交渉は9カ月 に及んだが、きょうの会見で東証の斉藤社長は「最初から必ずやると お互い話していたことから、交渉が物別れになる可能性は無かった」 とし、交渉は「統合のやり方だけだった」と強調した。

しんきんアセットマネジメント投信運用部の藤本洋主任ファンド マネージャーは、「東証は現物、大証は先物に強みを持つといった具合 に、一応の補完性はある」との見解を示唆。ただ一方で、「スピード感 を欠き、遅きに失した感もある。海外の取引所との競争力、対抗して いけるかといった観点では疑問が残る」とも話している。

--取材協力:林純子、堀江政嗣、河野敏 Editor:Shintaro Inkyo、Eijiro Ueno

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