世銀:中国経済の軟着陸を予想-アジア諸国には財政刺激策の余地

世界銀行は22日、中国は来年 の成長率が8%を超えるソフトランディング(軟着陸)に向かってお り、大半のアジア諸国は欧州債務危機の悪化から自国経済を守るため に財政刺激策を活用する余地があるとの見解を明らかにした。

世銀は半年に1度の東アジア・太平洋に関する報告書で、日本と 香港、台湾、韓国、シンガポール、インドを除く東アジアの途上国の 経済成長率が2012年に7.8%になると予想した。11年の成長予想は

8.2%。中国は、不動産市場の調整による「強い」影響を受けるリス クがあるものの、来年の国内総生産(GDP)成長率は8.4%となり、 その後も同様の成長ペースを維持する見通しだと指摘した。

報告書は、2008-09年のリセッション(景気後退)からの脱却 で世界をリードしたアジアが輸出需要の落ち込みや欧州の銀行の資金 引き揚げによる打撃を乗り切れそうだとの認識を示唆している。

世銀の東アジア・太平洋地域担当チーフエコノミスト、バート・ ホフマン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「ア ジアが欧州情勢の影響を受けており、世界の経済環境が鈍化している ことは明らかだ」と指摘。中国については、「短期的なハードランデ ィングのリスクは極めて限られている。ソフトランディングすると考 えている」と説明した。世銀は、中国の来年の成長率が今年の9.1% から鈍化するとみている。

報告書は、中国で不動産バブルが崩壊すれば、「国内の需要や消 費者景況感に強い影響」を与えるとみられるが、政府には「必要とな れば金融政策の正常化に向けた財政面の余地が十分ある」と分析して いる。

欧州債務危機の深刻化や米経済の停滞で再び世界的なリセッショ ンのリスクが高まる中、アジアの政策当局はインフレ抑制から成長の 確保へ重点を移した。オーストラリアとインドネシア当局が今月利下 げに踏み切ったほか、フィリピンは先月、景気浮揚を図るため財政刺 激策を発表している。

世銀はまた、欧州で導入される新資本規制に伴い銀行のアジア地 域への融資能力が制限されるが、大半の東アジア諸国が維持する高水 準の外貨準備と経常黒字が予想される新たな金融ストレスの影響から 自国経済を守るだろうとの認識を示した。

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