米議会超党派委:財政赤字削減で合意できず-共同委員長が声明

財政赤字削減策の取りまとめを 目指していた米議会の超党派委員会は合意成立に至らなかった。この 結果、党派争いが2012年の大統領・議会選挙まで持ち込まれるとと もに、1兆2000億ドル(約92兆円)の歳出が自動的に削減される可 能性が出てきた。

オバマ米大統領はこれを受け、共和党は「良識の声に耳を傾けず、 妥協を拒否した」と同党を批判。13年からの自動的な歳出削減を回避 しようとする動きに対しては拒否権を発動する考えを示した。

同委員会の共同委員長を務める共和党のジェブ・ヘンサーリング 下院議員(テキサス州)と民主党のパティ・マリー上院議員(ワシン トン州)は21日、「数カ月に及んだ大変な努力と密度の濃い議論の 末、われわれは今日、期限までに超党派の合意が可能でないとの結論 に達した」との声明を電子メール経由で発表した。

マリー議員は記者団に対し、自動的な歳出削減の回避につながり 得る「公平でバランスの取れた」合意に向け自分は取り組みを続ける と発言。「われわれにはこうした解決策を見つける責任があり、私は この責任を果たすまで日々取り組んでいく」と語った。

ムーディーズも格付け維持

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はこの日、 超党派委共同委員長の発表の後、米国債格付けを「AA+」に維持す ると表明した。同社は超党派委での合意不成立について、米国の新た な格下げに相当しないと説明した。同社は8月に米国の格付けを「A AA」から引き下げている。格付け会社ムーディーズ・インベスター ズ・サービスは同日、米国の格付け「AAA」と格付け見通し「ネガ ティブ」を維持すると発表した。

民主・共和両党は共に失望の意を表明し、議論の滞りは相手のせ いだと主張した。民主党は共和党が増税問題で妥協しないと批判。こ れに対し共和党は民主党がメディケア(高齢者医療保険制度)などの 給付金プログラム改革の検討を拒否したと非難している。

超党派委の行き詰まりを受け、安全資産を求める動きに拍車が掛 かり、米国債相場は上昇した。

ベイナー下院議長(共和党、オハイオ州)は発表資料で、「私は 失望しているものの、下院は引き続き、民間部門の雇用創出の阻害要 因を取り除き、政府支出を削減するとの公約を推し進める」と言明。 「それ以外のことは選択肢にない」と付け加えた。

共和党のマコネル上院院内総務(ケンタッキー州)は、民主党が 共和党の「誠意のある」提案2つを拒否したと指摘。「われわれは小 さな政府を目指すほか、将来の世代のため給付金制度を保護・改革し、 雇用拡大に向けより良い環境を創り出す取り組みを継続する」と発表 資料で明言した。

非難の応酬

一方、民主党のリード上院院内総務(ネバダ州)は、「共和党は メディケアの廃止を執拗(しつよう)に求めた。同プログラムを民営 化し、高齢者や将来の世代を保険会社の手に委ねようとした」と述べ た。

民主党のペロシ下院院内総務(カリフォルニア州)は、「バラン スの取れたアプローチ」を共和党が拒否したために合意が成立しなか ったと指摘。超党派委の共和党議員は「雇用に関する提案を拒否する 一方で、年収が100万ドルを超える富裕層へのブッシュ減税の延長と メディケアの廃止を主張した」と語った。

一部の議員は、予定されている自動的な歳出削減の影響を抑える 方法の検討を既に開始している。

下院軍事委員会のマッキーオン委員長(共和党、カリフォルニア 州)はこの日、国防予算の自動的な5000億ドルの削減を阻止する法 案を提出すると発表した。パネッタ国防長官は、自動的な予算削減が 実施されれば国防総省に「壊滅的な」影響を及ぼすだろうと述べてい た。

超党派委の合意不成立により、税と政府支出の問題が来年の選挙 戦の争点に浮上した。超党派委員会メンバーであるジョン・カイル上 院議員(共和党、アリゾナ州)は、「次の選挙は、連邦政府の規模と 範囲の問題に大きく関係してくるだろう」と経済専門局CNBCに語 った。

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