S&Pとムーディーズ:米国格付けを維持-超党派委の合意不成立後

米格付け会社のスタンダード・ アンド・プアーズ(S&P)とムーディーズ・インベスターズ・サービ スは21日、米議会の超党派特別委員会で財政赤字削減に関する合意 不成立後に米国の格付けを引き下げないことを明らかにした。

8月5日に米国の格付けを「AAA」から引き下げていたS&P は21日の発表資料で、超党派委での合意不成立について、1兆2000 億ドル(約92兆円)の自動的な歳出削減措置が発動されることにな るため、米国の新たな格下げには値しないと説明した。ムーディーズ の広報担当、エドゥアルド・バーカー氏は同委の発表後に電子メール で、今回の審議は「決定的なものではない」との見解を示した。

8月の格下げをきっかけに、米国債相場は四半期ベースで2008 年末以降最大の上昇を見せた一方で、世界の株式市場では同期間に9 兆7000億ドルの時価総額が失われた。合意不成立で成長鈍化のリス クが高まる上、オバマ大統領は年末に期限切れを迎える失業保険給付 の延長のための手段が奪われることになる。

ソーンバーグ・インベストメント・マネジメントのマネジングデ ィレクター、ジェーソン・ブレーディ氏は電話インタビューで、「心 配なのは、改革を行わなければ市場が寛大でなくなるという点だ」と 述べ、「政治家は必要な削減の一部を否定しようとしがちだ」と指摘 した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、10年物米国債利 回りはニューヨーク時間午後6時30分(日本時間22日午前8時30 分)時点で6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し

1.96%。S&P500種株価指数は21日、前週末比1.9%安の

1192.98で終了。

「押し下げ圧力」

S&Pのアナリスト、ニコラ・スワン氏とジョン・チェンバース は21日の発表資料で、財政管理法に基づく歳出削減が「引き続き効 力を持つ」と予想しながらも、歳出制限が緩和されることになれば 「格付けに押し下げ圧力」をもたらす恐れがあると指摘した。

8月に米国の格付け見通しを「ネガティブ」としたムーディーズ は超党派委の交渉行き詰まりについて、自動的な歳出削減の発動につ ながるため、それだけで米国を最上級格付けから引き下げる要因には ならないと説明した。

米国の格付けを最上級としているフィッチ・レーティングスは8 月16日、超党派委による合意不成立は「後ろ向きの格付け行動を招 く可能性が高い」との見解を示していた。同社の広報担当、ブライア ン・バーチ氏(ニューヨーク在勤)は超党派委の発表についてコメン トを控えた。

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