NY外為:ドルと円が上昇、米赤字削減協議の物別れで逃避需要

ニューヨーク外国為替市場で はドルと円が大方の主要通貨に対して上昇。米議会の超党派委員会が 財政赤字の削減策で合意できないことがほぼ確実になり、安全な逃避 先とされる円とドルの需要が高まった。

ユーロはドルと円に対して下落分を埋める展開となった。6週間 ぶりの安値圏に下落したのは行き過ぎで、下げは続かないとの見方か ら買いが入った。スペイン総選挙で与党・社会労働党が敗北し、欧州 では債務危機で倒れた5番目の政権となった。これを背景にユーロに は売りが先行した。高利回り資産の需要が減退し、豪ドルは6週間ぶ りの安値を付けた。

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セレブ リアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「相変わらずの欧州の不透明感に 加え、超党派委員会の影響も出てきた」と発言。「現在、市場の流動 性が低下している」と続けた。

ニューヨーク時間午後3時45分現在、ドルはユーロに対して前 週末比0.1%高の1ユーロ=1.3508ドル。一時は1.3430ドルま で上昇した。今月17日には1.3422ドルと、10月10日以来の高 値を付けた。ユーロは対円で1ユーロ=103円92銭(前週末は104 円ちょうど)。一時は103円23銭と、10月10日以来の安値とな った。ドルは対円でほぼ変わらずの1ドル=76円94銭。

豪ドルは1.5%安の1豪ドル=98.63米セント。一時は98.09 米セントと、10月10日以来の安値に沈んだ。円に対しては1.4% 下げて6営業日続落。5月以来で最長の下落局面となった。メキシ コ・ペソは1.9%下げ、対ドルで最も下げた主要通貨となった。

ユーロ売り

みずほフィナンシャル・グループの米通貨セールス担当責任者、 ファビアン・エリアソン氏は「ユーロの売り持ちが膨らんでおり、何 らかの動きがあった場合はそれが加速する」と述べた。さらに「危機 波及と対応策に対する市場の不安は続いている」と語った。

S&P500種株価指数は4営業日続落と、過去2カ月で最長の 連続安。

逃避需要からスイス・フランもほとんどの主要通貨に対して上昇 した。対ユーロでは0.2%高の1ユーロ=1.2375フラン、対ドルで はほぼ変わらずの1ドル=91.63サンチーム。

超党派委員会

米議会超党派委員会のメンバー、ジョン・カイル上院議員(アリ ゾナ州、共和党)は経済専門局CNBCに対し、1兆2000億ドル (約92兆円)以上の財政赤字削減で合意できなかったと21日に発 表する見通しであることを明らかにした。合意が成立しない場合、 2013年1月以降、国内および国防関連プログラムで総額1兆2000 億ドルの支出削減が自動的に発効する。

23日の合意成立期限前に議会予算局(CBO)が合意案を分析 するには21日までに受け取る必要がある。

ドイツ銀行のG10為替ストラテジー世界責任者、アラン・ラス キン氏(ニューヨーク在勤)はブルームバーグラジオとのインタビュ ーで、「2013年の自動的な支出削減の一部が宙に浮く事態になれば、 格下げを受けるとの不安がある」と指摘した。

赤字削減をめぐる政治的な行き詰まりで、スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)は8月5日に米国の「AAA(トリプルA)」 格付けを引き下げ、「AA+」に指定した。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数は3営業日ぶりに上昇し、0.3%高の78.234。

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