今日の国内市況:株式は続落、債券下落、円上昇-東証が取引時間延長

東京株式相場は続落。欧米財政問 題をめぐる不透明感、為替の円高懸念が強い中、自動車や電機など輸 出関連株を中心に海運、鉄鋼、鉱業といった景気敏感業種が売りに押 された。ただ、米国の景気先行指数が市場予想を上回り、米経済の先 行き不安はやや和らいだこともあり、相場全体の下げは限定された。

TOPIXの終値は前週末比2.90ポイント(0.4%)安の717.08、 日経平均株価は同26円64銭(0.3%)安の8348円27銭。

東証ではきょうから、幅広い投資者層の取引機会を拡大する観点 から、現物株式の午前の取引時間を従来から30分延長、午前9時から 同11時30分まで(午後は変わらず)に変更したが、東証1部売買代 金は7557億円と年初来最低を記録した15日(7287億円)以来、こと し2番目の低水準。欧米情勢の不透明感に妨げられる格好で、皮肉な 結果となった。

前週末18日の欧州では、ドイツ外務省がギリシャ以外でも「秩序 あるデフォルト(債務不履行)」の可能性を検討している、とDPA通 信が報道。これに対し、欧州中央銀行(ECB)が国際通貨基金(I MF)にユーロ圏諸国救済のための資金を貸し付ける仕組みについて、 両者が協議を始める可能性がある、とダウ・ジョーンズ通信は報じた。

財政問題をめぐっては、米国でも財政赤字削減計画の策定期限で ある23日が迫る中、超党派特別委員会では共和党陣営と民主党陣営が 共に譲らない姿勢を見せている。欧米財政の不透明感を背景に、21日 の東京外国為替市場では1ドル=76円台後半、1ユーロ=103円台後 半と、対ドルを中心に直近の円高水準で推移した。

相場の下げを主導した輸出関連ではトヨタ自動車、ホンダ、ソニ ーがそろって52週安値を更新。アドバンテストやエルピーダメモリな ど半導体関連株の下げも目立った。

財務省が朝方発表した10月の貿易統計速報によると、輸出額は前 年同月比3.7%減の5兆5128億円。減少率はエコノミストの事前予想 中央値(0.3%減)を上回った。品目別では、半導体等電子部品が21% 減と落ち込んだことが、寄与度で最大のマイナスとなった。

一方、米民間調査機関コンファレンス・ボードが18日に発表した 10月の米景気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.9%上昇と、エ コノミスト予想中央値(0.6%上昇)を上回る伸びを示した。

好悪材料が交錯する中、日経平均の高安値幅は31円67銭と約25 年ぶりの狭さとなった2月8日(25円)以来の小ささ。東証1部の売 買高は概算で12億2646万株、値下がり銘柄数は747、値上がりは748。 33業種では海運、鉄鋼、鉱業、石油・石炭製品、輸送用機器、その他 金融、非鉄金属、電機など21業種が下落。食料品、陸運、小売、化学、 水産・農林など12業種が高い。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前週末比0.6%安の46.26 と小幅に5日続落、東証マザーズ指数は0.9%安の382.40と3営業日 ぶり小幅反落。

長期金利は0.955%に上昇

債券相場は下落。前週末の米国債相場が反落したことに加え、あ すの20年債入札に向けた売りなどが相場の重しとなった。

東京先物市場で12月物は、前週末比12銭安い142円97銭で午前 終了。一時は3営業日ぶり安値の142円93銭まで下落した。現物債市 場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回りは同1ベー シスポイント(bp)高い0.955%で始まり、同水準の推移が続いた。

この日から国債先物の取引時間が従来の午前9時-11時と午後 零時30分-3時から、午前8時45分-11時2分、午後零時30分- 3時2分に拡大。東証は今回から金融派生商品(デリバティブ)の新 取引システムを稼働させた。前引け・大引けについては、約定しない で注文をためて板寄せ処理のためのつき合わせを行う2分間の「クロ ージング・オークションタイム」を設定。一方、午後3時30分開始の 夜間取引について、午後6時の終了時刻を午後11時30分に延長する。

18日の米国債相場は反落。欧州各国が債務危機への対応を進める 中、欧州中央銀行(ECB)がイタリアとスペインの国債を買い入れ たとの見方から両国債相場が上げたことが手掛かり。米10年債利回り は前日比5bp上昇し2.01%程度。一方、米株式市場はもみ合い。S& P500種株価指数は0.1%未満下げ1215.65。

あす22日に20年利付国債入札が実施される。前回入札された20 年物の130回債利回りは1bp高い1.715%で推移。この水準で入札を 迎えると、表面利率(クーポン)は前回債より0.1ポイント低い1.7% となる。発行予定額は1兆1000億円程度。

財務省が18日に開催した国債市場特別参加者会合の議事要旨に よると、来年度国債発行について、超長期債増発を求める意見が大勢 を占めた。

円が上昇

東京外国為替市場では、円が主要16通貨の大半に対して強含み。 ドル・円相場は1ドル=76円台後半で推移した。欧州の債務問題をめ ぐる懸念が根強い中、米国でも財政赤字削減策をめぐって超党派委員 会が合意に至らない可能性が浮上しており、米欧の不透明感を背景に 円買い圧力がかかった。

円は対ドルで、朝方に76円73銭から76円93銭まで水準を切り 下げたあとは底堅い展開となり、午後3時47分現在は76円82銭付近 で取引されている。前週末の海外市場では一時76円58銭と、政府・ 日本銀行が円売り介入を実施した10月31日以来の円高値を更新して いた。

米国では、議会の超党派委員会が1兆2000億ドル以上の財政赤字 削減策をめぐって、民主党の当局者は20日、合意できなかったと21 日に発表する見通しであることを明らかにしている。

財政赤字削減での合意の期限は23日だが、超党派委は21日まで に議会予算局(CBO)に合意内容を伝える必要がある。8月2日に 成立した財政管理法は債務上限を引き上げる一方、超党派委の勧告を 立法化できない場合、1兆2000億ドルの歳出の一律削減を義務付けて いる。

一方、欧州では今週、域内各国で国債入札が控えている。18日の 欧州債市場では、欧州中央銀行(ECB)による国債購入を支援材料 にイタリアを中心に財政問題に懸念のある国の国債利回り上昇が落ち 着いたものの、引き続き利回り動向が警戒されている。

ユーロ・円相場は朝方に1ユーロ=104円08銭までユーロ高・円 安が進んでいたが、円の下値は限定され、午後にかけて103円台後半 で円がじり高に推移。午後3時47分現在は103円83銭付近で取引さ れている。

ドイツのショイブレ財務相がECBを最後の貸し手として機能さ せる呼び掛けを拒否。また、ECB政策委員会メンバー、ドイツ連邦 銀行(中央銀行)のバイトマン総裁も、欧州各国政府がこれまでのと ころ域内ソブリン債危機の解決に失敗しているからといって、ECB に解決を求めることはできないと発言している。

この日のユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.3500ドルを下値に、午 後の取引には1.3538ドルまで上昇する場面も見られたが、その後は

1.35ドル台前半を中心に伸び悩む展開が続いた。

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは21日、フ ランスの国債利回り上昇は同国が直面する財政上の困難を大きくする と指摘した。

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