米国債:08年来の大幅高、上昇基調衰えず-赤字削減協議不調でも

米議会で財政赤字削減協議が行き詰 る中、2008年以来の大幅上昇となっている米国債相場は、利回りが過去 最低水準にあるにもかかわらず、上昇基調が衰える気配はない。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数データによ れば、米国債のリターン(投資収益率)は今月、プラス0.9%。8月5 日に米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が史上初 の米国債格下げに踏み切った以後はプラス3.4%、年初来ではプラ ス8.9%だ。

クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)取引のデータを提供 するCMAによれば、「AA+」に1段階格下げされた米国債はデフォ ルト(債務不履行)に備えた保証コストが、最上級格付け「AAA」の ドイツや英国の約半分にとどまっている。欧州の債務危機がギリシャ以 外にも拡大していることもあり、米国債は今年最良の投資対象となって いる。

米民主党当局者は、議会の超党派委員会が1兆2000億ドル(約92兆 円)の財政赤字削減で合意できなかったと21日に発表する見通しである ことを明らかにした。米連邦準備制度理事会(FRB)の低金利政策で 米国債利回りは低水準にとどまりそうだが、米財政赤字削減をめぐる政 治的な駆け引きが世界の景気回復を脅かす恐れもある。

JPモルガン・チェースは、米国の財政計画がまとまらず歳出削減 が実施されれば、2013年1-3月期の国内総生産(GDP)成長率が最 大2ポイント押し下げられる可能性があると予想している。

米ベーカー・グループのアソシエートパートナー、ジェフリー・コ ーロン氏は17日の電話インタビューで、「人々はリターンでホームラン を打とうとするより、むしろリスク回避を気に掛けている。米議会が責 任を果たすことを態度で示し、欧州情勢が改善に向かう一定の兆候が得 られるまで、米国債と格付けの高い投資対象に人々がとどまるのは妥当 だ」と述べた。

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