日銀議事要旨:宮尾委員の10兆円増額提案の対象は長期国債

日銀は21日午前、10月27日の金 融政策決定会合の議事要旨を公表した。それによると、資産買い入れ 等基金を5兆円増額するとした議長提案に対し、10兆円増額を提案し た宮尾龍蔵審議委員は、その対象資産をすべて長期国債としていたこ とが分かった。

宮尾委員は提案の理由について「企業や家計の予想物価上昇率や 成長機会の低下を通じて、見通し期間の景気や物価が下振れるリスク が高まっており、8月に続き、10兆円という思い切った資産買い入れ 等基金の増額を行うべき」だと主張した。

日銀は同日の金融政策決定会合で、資産買い入れ等基金を「50兆 円」から「55兆円」に拡大することを8対1の賛成多数で決定した。 増額対象は全て長期国債。日銀の追加緩和は8月4日会合で円売り介 入に合わせて実施して以来。反対した宮尾委員は60兆円への増額を提 案したが、反対多数で否決された。

議事要旨によると、各委員はグローバル投資家のリスク回避姿勢 が一段と強まる結果として、円高や株価の下落が進めば、「企業や家 計のマインドを通じた影響も含め、わが国の景気の下振れ要因となる」 との認識を共有した。何人かの委員は、大幅な円高が進行し、輸出企 業の採算が悪化した場合、「企業収益が下振れし、ひいては雇用・所 得環境に悪影響を及ぼす可能性に特に留意する必要がある」と述べた。

実質金利上昇が円高圧力に

さらに、ある委員は「ソブリン問題をめぐる金融資本市場の緊張 が続く中で、大幅な円高傾向が定着し、基幹工場や研究開発拠点の流 出につながれば、国内の投資や雇用の大幅な減少をもたらし得る」と の懸念を示した。ある委員は、短中期的な予想物価上昇率がこのとこ ろ弱含んでいると指摘した上で、「これが同ゾーンの実質金利の上昇圧 力につながり、円高や株安の圧力を強める可能性には注意する必要が ある」と述べた。

また、何人かの委員は「欧州ソブリン問題をめぐる金融市場の緊 張が続く中で、グローバルな投資家がリスク回避の動きを強める結果、 新興国から資金を引き揚げる動きが拡がる可能性には、留意が必要で ある」と述べた。

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