福島地方選:大熊町長に「全員帰還」主張の現職、県議選は民主1減

【記者:広川高史、坂巻幸子】

11月21日(ブルームバーグ):東京電力福島第一原子力発電所事 故で警戒区域に指定されている福島県大熊町の町長選が20日行われ、 全員帰還を訴えた無所属で現職の渡辺利綱氏(64)が集団移住を主張 した無所属新人の木幡仁氏(60)を破り、再選した。

渡辺氏は「大熊町を取り戻そう。みんなで帰ろう」との主張を掲 げた復興構想をまとめており、選挙でも「みんなで戻って復興再生」 を訴えていた。これに対し、木幡氏は「地元には帰れない」ことを前 提とした集団移住とそのための支援を政府に求めていた。

投票所は同町の会津若松出張所(福島県会津若松市)といわき連 絡事務所(同県いわき市)に設置された。最終投票率は68.34%。渡 辺氏が3451票を獲得したのに対し、木幡氏は2343票の支持を得た。

慶応大学大学院の曽根泰教教授は「今回は離散者が多くいる中で の今まで経験したことのない選挙だ。原発事故が起きて、従来の原発 に賛成か反対かということだけでなく、10年以上の影響が考えられ る中で、住み続けるのかどうかという新たな争点が大熊町長選挙では 提起されている」と指摘していた。

その上で、「単に誰が勝ったかということだけでなく、いろいろ な意味をくみ取る必要のある選挙だ。原子力は今日、明日の話ではな いということは国民も選挙結果から理解した方がいい」と述べた。

このほか、88人が立候補した福島県議選では自民が27(改選議席 26)、民主が15(同16)議席を獲得した。このほか、自民は推薦候補 も1人が当選した。改選議席が3議席だった共産党は5議席と勢力を 拡大した。県議選の投票率は47.51%と2007年の前回(56.99%)を

9.48ポイントも下回った。

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