日経平均安値更新、欧米財政にらみ輸出安い-時間延長も取引低迷

東京株式相場は続落。日経平均株 価は終値で約2カ月ぶりに年初来安値を更新した。欧米財政問題をめ ぐる不透明感、為替の円高懸念が強い中、自動車など輸出関連株を中 心に海運、鉄鋼、鉱業といった景気敏感業種が売りに押された。ただ、 米国の景気先行指数が市場予想を上回り、米経済の先行き不安はやや 和らいだこともあり、相場全体の下げは限定された。

TOPIXの終値は前週末比2.90ポイント(0.4%)安の717.08 と連日の年初来安値。日経平均株価は同26円64銭(0.3%)安の8348 円27銭と、9月26日に付けた終値での年初来安値(8374円13銭) を更新した。

東証ではきょうから、幅広い投資者層の取引機会を拡大する観点 から、現物株式の午前の取引時間を従来から30分延長、午前9時から 同11時30分まで(午後は変わらず)に変更したが、東証1部売買代 金は7557億円と年初来最低を記録した15日(7287億円)以来、こと し2番目の低水準。欧米情勢の不透明感に妨げられる格好で、皮肉な 結果となった。

三菱UFJ投信戦略運用部の宮崎高志副部長は、「欧州債務問題は 時間をかければかけるほど、欧州の銀行の貸し渋りなどでファンダメ ンタルズにも悪影響が出てくる」と警戒感を示唆。また、米国で財政 赤字削減案をめぐる与野党協議で合意が難しそうな点も、「政治の機能 不全を露呈しており、市場センチメントに重くのしかかっている」と 話していた。

前週末18日の欧州では、ドイツ外務省がギリシャ以外でも「秩序 あるデフォルト(債務不履行)」の可能性を検討している、とDPA通 信が報道。これに対し、欧州中央銀行(ECB)が国際通貨基金(I MF)にユーロ圏諸国救済のための資金を貸し付ける仕組みについて、 両者が協議を始める可能性がある、とダウ・ジョーンズ通信は報じた。

海外勢売りの観測、半導体低調も響く

財政問題をめぐっては、米国でも財政赤字削減計画の策定期限で ある23日が迫る中、超党派特別委員会では共和党陣営と民主党陣営が 共に譲らない姿勢を見せている。欧米財政の不透明感を背景に、21日 の東京外国為替市場では1ドル=76円台後半、1ユーロ=103円台後 半と、対ドルを中心に直近の円高水準で推移した。

野村証券の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストは、「欧州 の財政問題がすっきりしない上、米国でも財政赤字削減策をめぐる協 議が難航するなど、投資家の買い手控え材料に事欠かない」と指摘。 取引開始前の外資系証券経由の注文状況が大幅売り越し観測だったこ とも、市場参加者の心理面でマイナスに働いたと言う。市場観測によ ると、外資系証券9社経由で1060万株の売り越し。売越株数は、10 月 3日(1220万株)以来の大きさだった。

相場の下げを主導した輸出関連ではトヨタ自動車、ホンダ、ソニ ーがそろって52週安値を更新。アドバンテストやエルピーダメモリな ど半導体関連株の下げも目立った。佐藤氏は、「前週末の米国でハイテ ク株が弱かった流れを引き継いだ」ほか、朝方発表の日本の貿易収支 で半導体輸出が不振だったことも影響した、とみていた。

財務省が朝方発表した10月の貿易統計速報によると、輸出額は前 年同月比3.7%減の5兆5128億円。減少率はエコノミストの事前予想 中央値(0.3%減)を上回った。品目別では、半導体等電子部品が21% 減と落ち込んだことが、寄与度で最大のマイナスとなった。

一方、米民間調査機関コンファレンス・ボードが18日に発表した 10月の米景気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.9%上昇と、エ コノミスト予想中央値(0.6%上昇)を上回る伸びを示した。

日経平均値幅31円

好悪材料が交錯する中、日経平均の高安値幅は31円67銭と約25 年ぶりの狭さとなった2月8日(25円)以来の小ささ。マネックス証 券の金山敏之シニア・マーケット・アナリストは、「欧州情勢や米財政 赤字削減策の行方を見極めたいとして、積極的な売り買いは手控えら れ、市場エネルギーも盛り上がらない」と話していた。

東証1部の売買高は概算で12億2646万株、値下がり銘柄数は747、 値上がりは748。33業種では海運、鉄鋼、鉱業、石油・石炭製品、輸 送用機器、その他金融、非鉄金属、電機など21業種が下落。食料品、 陸運、小売、化学、水産・農林など12業種が高い。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前週末比0.6%安の46.26 と小幅に5日続落、東証マザーズ指数は0.9%安の382.40と3営業日 ぶり小幅反落。

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