債券下落、米債安や20年入札に向けた売り-先物は取引時間拡大

債券相場は下落。前週末の米国債 相場が反落した流れを引き継いだことに加えて、あす実施の20年債入 札に向けた売りなどが相場の重しとなった。一方、東京証券取引所が この日から国債先物の取引時間を拡大したことに伴う混乱は起きなか ったものの、新規取引には慎重姿勢が強まった。

SMBC日興証券の野村真司チーフ債券ストラテジストは、きょ うの債券相場について、「先週末に欧州債務問題の懸念が若干薄れて、 米国債が売られた地合いを引き継ぎ、弱含みもみ合いで推移した」と 話した。もっとも、「下値を売っていく動きにはなっていない」との見 方も示した。

東京先物市場で中心限月12月物は、前週末比11銭安い142円98 銭で取引を開始。午前10時前には3営業日ぶり安値の142円93銭ま で下落したが、その後は下げ幅を縮める展開。結局は8銭安の143円 01銭で引けた。

この日から先物取引時間が従来の午前9時-11時と午後零時30 分-3時から、午前8時45分-11時2分、午後零時30分-3時2分 に拡大。東証は今回から金融派生商品(デリバティブ)の新取引シス テムを稼働。前引け・大引けは、約定しないで注文をためて板寄せ処 理のためのつき合わせを行い、引け値を決める2分間の「クロージン グ・オークションタイム」を設定。一方、午後3時30分開始の夜間取 引について、午後6時の終了時刻を午後11時30分に延長する。

新システム稼働や取引時間変更に絡んだ混乱などはなかったもの の、相場のボラティリティー(変動率)が高くなることへの警戒感が 出ていた。ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「先物取 引の時間延長もあり、値付きが速いので、ボラティリティーが出やす く、無理はしない感じ」と説明していた。日中売買高は1兆3150億円 と、9月29日以来の低水準にとどまった。

新発10年債利回りは0.955%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは前週末比1ベーシスポイント(bp)高い0.955%で始まり、その後 も同水準で推移している。

ドイツ証の山下氏は、「あす20年債入札を控えているほか、相場 が高値圏にあることで慎重姿勢が強く、売りが先行した」と話した。

日本証券業協会が発表した10月の公社債投資家別売買高による と、短期証券を除くベースで都市銀行は、2兆4919億円の売り越しに 転じた。一方、地方銀行は1兆8198億円、生保・損保は1兆2466億 円の買い越しとなった。

あす20年債入札、利率1.7%か

あす22日に20年利付国債入札が実施される。前回入札された20 年物の130回債利回りは1.705%で取引された。この水準で入札を迎 えると表面利率(クーポン)は前回債より0.1ポイント低い1.7%と なる。1.7%で決まれば、昨年8月債以来の低い水準。発行額は1兆 1000億円程度。

SMBC日興証の野村氏は、今回の20年債入札について、「利回 り1.7%近辺では、積極的に買う投資家はいないものの、無難な結果 が見込まれる」と述べた。

20年物の130回債利回りは10月31日に1.79%を付けたが、その 後は大幅に水準を切り下げ、前週には約1カ月ぶり低水準となる

1.70%まで下げた。この日午前は1.72%を付けたが、横ばいの1.705% に戻した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券スト ラテジストは、金利水準不足や財政規律の弛緩懸念などが意識され始 めていると指摘。相場が大崩れとなることはないとしながらも、「入札 自体が無難からやや弱めの結果になる可能性はある」と予想する。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャー は、朝方は「超長期債の発行増発観測が強まったことを反映して、長 いゾーンが売られた」と話した。財務省が18日に開催した国債市場特 別参加者会合の議事要旨によると、来年度国債発行について、超長期 債増発を求める意見が大勢を占めた。

18日の米国債相場は反落。欧州各国が債務危機への対応を進める 中、欧州中央銀行(ECB)がイタリアとスペインの国債を買い入れ たとの見方から両国債相場が上げたことが手掛かり。米10年債利回り は前日比5bp上昇し2.01%程度。一方、米株式市場はもみ合い。S& P500種株価指数は0.1%未満下げ1215.65。

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