バフェット氏:オリンパス問題でも「日本で投資機会探る」-初来日

米著名投資家で米投資・保険会社バ ークシャー・ハサウェイを率いるウォーレン・バフェット氏(81)が21 日、初来日した。投資先の工具メーカー、タンガロイが福島県いわき市 で開催した新工場の完成式典に出席するためで、市場では同氏の今後の 日本に対する投資姿勢に関心が集まっている。

式典は当初、3月22日に予定されていたが、東日本大震災の発生 を受け延期された。バフェット氏は21日午後1時過ごろヘリコプター で現地に到着。社員らを前にスピーチし、「世界の目は日本に、特に福 島に注がれている」と述べた。訪日が実現し、「きょうは素晴らしい日 になった」と語った。

バフェット氏は同日夕の記者会見で、オリンパスの損失隠しについ て「ときどきあのようなことが起きるのは欧米も一緒だ」と指摘。日本 には「たくさんの投資機会がある。持続可能な競争力を持つ企業の価値 を勘案し、妥当であり、そのときの経営陣を信頼できれば投資する」と 引き続き投資機会を探っていく方針を明らかにした。

割安な銘柄に長期投資する「バリュー投資の父」と称されるバフェ ット氏は、米飲料最大手のコカ・コーラや住宅金融大手のウェルス・フ ァーゴなどに20年以上投資している。アメリカン・エキスプレス、ジ ョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などを保有する。同氏は日本 について5月に安心して投資できる国との認識を示していた。

バークシャーは2011年に入り株式購入を拡大。特に株価が大きく 下落した第3四半期(7-9月)に239億ドル(約1兆8300億円)を 投じた。米ルブリゾールを90億ドルで買収したほか、バンク・オブ・ アメリカ(BOA)の優先株や、半導体メーカーのインテル、電子決済 ネットワークのビザ株式なども購入した。

バフェット氏は21日夜、いわき市の新工場の敷地内でブルームバ ーグ・ニュースの単独インタビューに応じ、日本を含む世界市場での企 業買収の可能性について「80億ドルから100億ドル(6000億-7700億 円)の案件ならちょうどいい」と言及。ただ、「今のところ、具体的な 計画はない」としている。

被災地訪問の意味

大震災から8カ月以上が経過する中、日経平均株価は11月18日終 値で8374円と震災直後の安値8605円を下回り低迷を続けている。スパ ークス・グループの阿部修平社長はバフェット氏来日について、被災の 中心地を訪れる意味は大きく、今後日本にもっと投資していくのではな いかとの期待もあるなどと指摘した。

バークシャーの7-9月期の純利益は、デリバティブ投資の価値下 落で前年同期比24%減の22億8000万ドルとなった。10月には米ゼネ ラル・エレクトリック(GE)が金融危機下の2008年10月に発行した 優先株の買い戻しで33億ドルを受け取り、今月14日には米IBMの株 式5.5%を107億ドルで取得し大株主になっている。

米誌フォーブスによると、バフェット氏は2011年世界長者番付で メキシコの富豪カルロス・スリム氏(740億ドル)、米マイクロソフト創 業者のビル・ゲイツ会長(560億ドル)に次いで3位(500億ドル)。米 富裕層への増税や、ゲイツ氏らとともに資産を慈善事業に寄付する「ギ ビング・プレッジ」を働きかけるプロジェクトなどを展開している。

--取材協力: Andrew Frye Editor: Kazu Hirano Hideki Asai

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