米国債:上昇、欧州危機や米財政問題のこう着嫌気-入札は好調

米国債相場は上昇。米財務省 が実施した2年債の入札(350億ドル相当)では、需要が過去最高 を記録した。欧州の債務危機や米財政赤字削減をめぐる議会のこう 着を背景に、投資家は米国債を安全逃避先として選好した。

10年債利回りは約6週ぶりの低水準で推移。米超党派委員会 は、具体的な赤字削減策で何ら合意を見いだせないまま協議が決裂 した。株式は下落、スペイン債やイタリア債も下げた。欧州首脳は 債務危機の解決で苦戦するとの懸念がある。連邦準備制度と米財務 省はこの日、計1080億ドルの国債を売却した。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債ト レーディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は、「欧 州や米超党派委員会の動きを受けて、償還期限の短い国債は堅調な 需要が期待できる」と述べ、「入札は全般的に好調だった」と続け た。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク 時間午後5時14分現在、既発債の2年債利回りは前営業日比2ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて0.26%。同年債 価格(表面利率0.25%、2013年10月償還期限)は1/32上げて 99 31/32。10年債利回りは6bp下げて1.96%。

国債の売却

米議会の超党派委員会は財政赤字削減で合意できず、党派争い が2012年の大統領・議会選挙に持ち込まれるとともに、1兆2000 億ドルの歳出が自動的に削減される可能性が出てきた。

トラディション・アシール・セキュリティーズのブローカー、 ポール・ホルマン氏(ニューヨーク在勤)は、「市場が混乱してい るときは供給が問題になることはない」と指摘、「欧州は何一つ具 体的な解決策がないようだ」と述べた。

米財務省が実施した2年債入札の結果によると、最高落札利回 りは0.280%と、入札直前の市場予想の0.287%を下回った。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は4.07倍と、米中長期債 の応札倍率としては過去最高。前回の最高2007年8月の2年債入 札での3.97倍だった。過去10回の平均値は3.32倍。

外国の中央銀行を含む間接入札の落札全体に占める比率は

42.2%と、過去10回の平均値31.8%を上回った。プライマリー ディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入札の落札比率 は11.2%となった。過去10回の平均は13.7%。

オペレーション・ツイスト

ニューヨーク連銀はこの日、「オペレーション・ツイスト」の 一環として2012年2月から7月に償還期限を迎える米国債85億 3100万ドルを売却、2度目のオペでは償還期限2014年3月から 11月の米国債86億3000万ドルを売却した。

米財務省は22日に5年債350億ドル、23日に7年債290億 ドルの入札を実施する。

2年債と10年債の利回り格差は1.68ポイントに縮小。一時 は1.67ポイントと、10月6日以来の最小を記録した。2年債と 30年債の利回り格差は2.65ポイントと、10月5日以来の最小。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、年初 来の米国債のリターンは8.9%となった。14%を記録した2008年以 降で最高水準。

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