【今週の債券】長期金利0.9%台で低下探る展開か、欧米財務懸念で

今週の債券市場で長期金利は1年 ぶり水準の0.9%台から低下余地を探る展開が予想されている。欧州 財政不安がくすぶる中、米国の財政赤字削減問題への懸念も出ており、 安全資産とされる日本国債に資金が流入する構図が続くとみられるこ とが背景。

長期金利の指標となる新発10年債利回りについて、ブルームバー グ・ニュースが前週末に市場参加者4人に聞いた今週の予想レンジは 全体で0.90-1.00%となった。0.9%台前半は昨年11月上旬以来の低 い水準。前週末の終値は0.945%。

前週の長期金利は0.9%台半ばに水準を切り下げた。欧州ではイ タリアの10年物国債利回りが財政運営上の「危険水域」とされる7% 近辺で推移し、スペインは6%台と高い水準。JPモルガン・アセッ ト・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、欧州懸念を背景に長期 金利は0.9%台で低下余地を試すと予想する。

米財政赤字削減計画の行方も注目。策定期限が23日に迫る中、議 会の超党派特別委員会では、増税に反対する共和党陣営と給付金の現 行維持を主張する民主党陣営がともに譲らない姿勢を示している。決 着しなければ株式売り・債券買い要因になるとの声が聞かれた。

経済指標では、国内で25日に消費者物価指数(CPI)、米国で 22日に7-9月期国内総生産(GDP)改定値が発表される。ブルー ムバーグ調査によると、10月の全国コア(除く生鮮食品)CPIは前 年比0.1%低下、11月の東京都区部コアCPIは同0.3%低下が見込 まれている。米実質GDP改定値は前期比年率2.5%上昇と速報値 (2.5%上昇)から変わらずの見通し。

20年債入札

22日に20年利付国債入札が実施される。18日の入札前取引では

1.72%程度で推移しており、表面利率(クーポン)は前回債より0.1 ポイント低い1.7%の見通し。今回の入札について、投資家が保有債 券の年限を長期化させるため、期間の長い債券を買う動きや生命保険 などの需要で無難な結果になるとの声が聞かれている。発行額は1兆 1000億円。

東京証券取引所は、21日から国債先物の取引時間を拡大する。従 来の取引時間は9時から11時、12時30分から15時まで。これを8 時45分から11時2分、12時30分から15時2分までとする。15時 30分開始の夜間取引(イブニングセッション)についても、これまで の18時の終了時間を23時30分まで延長する。

18日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の 通り。先物は中心限月12月物、新発10年国債利回りは318回債。

◎トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジスト

先物12月物142円50銭-143円30銭

新発10年債利回り=0.92%-1.00%

「長期金利は欧州債務問題への不安を織り込む展開が続き、週前 半は低下余地を試しそう。米財政赤字の追加削減に向けた協議が注目 されており、決着しなければ株式売り・債券買いとなる可能性がある。 20年債入札は、投資家の年限長期化の需要に加え、金利低下への出遅 れ感もあり、需給が崩れる要因にはならないだろう」

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物12月物142円70銭-143円40銭

新発10年債利回り=0.90%-0.98%

「長期金利はじりじりと切り下がる見通し。ユーロ圏の金利上昇 や欧州銀のドル調達難など危機が深刻化しており、金利水準は低くと も投資家の国内債選好の姿勢は変わらない。1%の大台が徐々に遠の く感じだ。また、20年債の入札を無難に通過すれば、超長期ゾーンは 投資家の需要で月末にかけて割安修正の場面があろう」

◎三井住友海上火災保険の高野徳義氏

先物12月物142円70銭-143円50銭

新発10年債利回り=0.90%-0.98%

「10年債は0.90%を目指して買い進まれる可能性がある。先週末 は0.94%で売りが出たが、欧州債務問題は先行きが見えない。リスク 環境を考えると資金を振り向けられる資産が限られ、結局は円債に回 帰せざるを得ない。20年債入札の1.7%は買い進みづらいものの、12 月の国債償還を考えると一定額を確保する必要がある」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物12月物142円60銭-143円50銭

新発10年債利回り=0.90%-1.00%

「欧州債市場が荒れてリスク資産が売られたことで、円債市場で は売りが出ない状況で、金利がじわじわと低下している。もっとも、 一段の低下には日銀の追加金融緩和が必要とみている。20年債入札に ついては、海外からも資金が流入している状況で、問題なく消化され るとみている」

--取材協力:赤間信行、船曳三郎 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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