11月18日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ユーロが1週間ぶりに上昇-ECBが国債購入

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルと対円で1週間ぶ りに上昇した。欧州中央銀行(ECB)によるイタリア債とスペイン 債の購入が域内の借り入れコスト上昇を抑制するとの見方が広がった。

ユーロは対円で反発。ECBが国際通貨基金(IMF)にユーロ 圏諸国救済のための資金を貸し付ける仕組みについて、両者が協議を 始める可能性があるとの報道を手掛かりにユーロは買いを集めた。ノ ルウェー・クローネは対ドルで最も値上がりが大きかった。ノルウェ ー政府が輸出業者の支援を目的とした新たな融資プログラムを発表し たのが好感された。カナダ・ドルは消費者物価が予想以上に上昇した ことに反応し、値上がりした。

オンライン為替取引会社GFTフォレクスの調査ディレクター、 ボリス・シュロスバーグ氏(ニューヨーク在勤)は、「市場は熱気に 包まれているが光はあまり差していない。投資家は次の一手をめぐり 混乱しているからだ」と述べ、「信用市場は当面のところ、落ち着て いる。これは今のところ冷えきった平和であり、決して勝利したわけ ではない。単なる一時停止だ」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時14分現在、ユーロは対ドルで

0.4%上昇して1ユーロ=1.3510ドル。今月11日以来で初の値 上がりだった。週間ベースでは1.8%安。ユーロは対円では0.3% 上げて1ユーロ=103円95銭。ドルは対円でほぼ変わらずの1ド ル=76円94銭。

ECBによる国債購入

取引について知る関係者5人によると、ECBはこの日、イリア 国債を購入した。同関係者は取引が非公開だとして匿名を条件にじた。 関係者3人は、スペイン国債も買い入れたと述べた。ECB報道官は コメントを控えた。

イタリア2年債利回りは14ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)下げて6.12%。今月10日にはユーロ導入後で最高の

7.48%を記録した。ドイツ国債との利回り格差はこの日5.66ポイ ント。先週は6.85ポイントまで拡大した。

ダウ・ジョーンズ(DJ)通信が報じたところによると、ECB がIMFにユーロ圏諸国救済のための資金を貸し付ける仕組みについ て、欧州の当局者らはIMFと協議を開始する可能性がある。この提 案について合意が成立すればば、12月9日の欧州連合(EU)首脳 会議で発表される可能性があると、DJ通信は事情に詳しい関係者2 人の話を基に伝えている。関係者の名前は明らかにしていない。

ECBのドラギ総裁は18日、フランクフルトで講演し、ソブリ ン債危機を終わらせるためにECBにさらなる行動を求める政治家や 投資家の期待に対して、ECBの軸足が責務の物価安定から外れれば ECBへの信頼性はすぐに失われると反論した。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、銀行がユーロ建ての 支払いをドル建てにスワップする際のコストを示す3カ月物クロス通 貨ベーシススワップは、欧州銀行間取引金利(EURIBOR)を最 大132bp下回った。ドル調達コストは4日連続で3年ぶり高水準 を記録した。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指 数によると、ユーロは過去6カ月間で1.3%低下。ドルと円はそれ ぞれ4.4%、9.6%上昇した。

米民間調査機関コンファレンス・ボードが発表した10月の米景 気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.9%上昇と、ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値(0.6%上昇)を 上回る伸びだった。これを受けてリスク志向が強まり、ドルは主要 16通貨の過半数に対して下落した。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数は0.3%低下して78.079。

◎米国株:S&P500種、週間で2カ月ぶり大幅安

米株式相場はもみ合い。景気が加速しているとの楽観的な見方が ある一方、ハイテク株やエネルギー銘柄に売りが出た。S&P500 種株価指数は週間では2カ月ぶりの大幅安となった。

原油相場が2日連続で下げたことを背景にシェブロンとハリバー トンが下落。インターネットベースの顧客管理ソフトウエア最大手、 セールスフォース・ドット・コムは10%安。取扱高が一部の予想を 下回ったことが響いた。一方、ヒューレット・パッカード(HP)は

2.6%高。物言う投資家として知られるラルフ・ホイットワース氏を 取締役に指名したことが好感された。ボーイングは2.1%高。イン ドネシアの格安航空会社ライオン・エアから230機の仮受注を獲得 したことが買い材料となった。

S&P500種株価指数は前日比0.1%未満下げ1215.65で終 了した。一時は0.6%上昇する場面もあった。週間では3.8%下落。 一方、ダウ工業株30種平均は前日比25.43ドル(0.2%)高の

11796.16ドル。

セキュリティー・グローバル・インベスターズで240億ドルの 運用に携わるマーク・ブロンゾ氏(ニューヨーク州アービントン在勤) は電子メールで、「欧州情勢に落ち着く兆候が表れない限り、荒い値 動きは続くだろう」と指摘。「欧州が落ち着けば、堅調な米経済成長 が相場を下支え、上昇局面の地ならしをする可能性もある」と続けた。

成長見通しの引き上げ

S&P500種は欧州の動向をにらみながら、もみ合う場面が目 立った。景気先行指標総合指数が予想を上回り、2012年も経済成長 が続くことを示唆した。今年第4四半期の経済成長は予想を上方修正 するアナリストが増えており、18カ月ぶりの高成長となる可能性が ある。

JPモルガン・チェースのエコノミストは第4四半期の国内総生 産(GDP)伸び率を3%と予想。従来の2.5%から引き上げた。 マクロエコノミック・アドバイザーズは11月上旬に2.9%と予想 していたが、3.2%に上方修正した。モルガン・スタンレーは3%か ら3.5%へ引き上げた。

ウェルズ・キャピタル・マネジメントのチーフ投資ストラテジス ト、ジェームズ・ポールセン氏は電子メールで「次に株式相場を大き く動かす材料はおそらく、米経済が足踏みしていないばかりか実際に は加速しているとの認識の強まりだろう」と指摘した。

株価は伸び悩む場面もあった。ドイツ外務省がギリシャ以外でも 「秩序あるデフォルト(債務不履行)」の可能性を検討しているとD PA通信が報じたことが手掛かり。

IT、エネルギー株が安い

S&P500種の10セクターの中では情報技術(IT)とエネ ルギー株の下げが目立った。シェブロンは2.2%、ハリバートンは

2.9%それぞれ下げた。

ケチャップメーカー最大手のハインツは3.3%下落。通期の1 株当たり利益を最大で3.32ドルとする現在の見通しを維持したこ とが売りを誘った。ブルームバーグの調査によると、アナリストの平 均予想は3.34ドル。

HPの取締役となるホイットワース氏は9月30日現在でHP株 を約1750万株保有している。HP株は年初から前日までに35%下 げていた。グリーチャーのアナリスト、ブライアン・マーシャル氏 (サンフランシスコ在勤)はホイットワース氏のHP入りについて、 「明らかにプラス材料だ」と指摘。「取締役会は助けが必要で、同氏 はそのバックグラウンドがある」と話した。

◎米国債:5日ぶり反落-ECB国債購入で欧州懸念後退

米国債相場は5日ぶりに反落。欧州各国が債務危機への対応を進 める中、欧州中央銀行(ECB)がイタリアとスペインの国債を買い 入れたとの見方から両国債相場が上げたことが手掛かり。

ECBが国際通貨基金(IMF)にユーロ圏諸国救済のための資 金を貸し付ける仕組みについて、欧州の当局者らはIMFと協議を開 始する可能性があると、ダウ・ジョーンズ(DJ)通信が報じた。米 財務省は来週、総額990億ドルの国債入札を予定している。またニ ューヨーク連銀は、償還期限が3年未満の米国債最大175億ドル相 当を2回に分けて売却する。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレク ター、ラリー・ミルスタイン氏は「市場では方向性を決める次の材料 を気をもみながら待っているところだ」と指摘。「10年債利回りは 2%、30年債は3%という鍵となる水準付近で週を終えようとして いる。市場の不透明感から、区切りのいい数字が好まれている」と述 べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時 間午後5時14分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇し2.01%。同年債(表面利率2%、 2021年11月償還)価格は14/32下げて99 29/32。利回りは 週間で5bp低下。30年債利回りは1bp上げて2.99%。

先物動向

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、ヘッジフ ァンドや大口投機家による10年債先物のネットショートは15日ま での1週間に増加した。

ニューヨーク連銀はこの日、「オペレーション・ツイスト」の一 環として償還期限が2036-41年の米国債25億ドル相当を買い入 れた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによれ ば、米国債の年初来のリターンは17日までの時点でプラス9.2%。 ドイツ債は8.4%、日本債は2.1%だった。

スペイン債

米国債は週間ベースで上昇。今週はスペインとフランスの国債入 札で借り入れコストが上昇。危機封じ込めにおけるECBの役割をめ ぐりドイツとフランスが対立したことで、欧州の高債務国が責務を果 たせないとの懸念が強まった。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ スタメンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は「米10年債利回りはこ のところ2%未満を維持しづらくなっている、経済指標を受け米経済 がリセッション(景気後退)に陥る可能性が低下しているためだ」と した。ただ、「欧州での緊張状態が米国債のしっかりした支援材料に なっている」と付け加えた。

ECBのドラギ総裁はこの日、各国政府にソブリン債危機を終わ らせるため約束した行動を急ぐよう呼び掛け、ECBには大量の国債 購入などによって高債務国を救済する考えがないことを示唆した。

◎NY金:3日ぶりに上昇、欧州債務懸念で-1725.10ドル

ニューヨーク金先物相場は3日ぶりに上昇。欧州の債務危機を背 景に価値保存手段としての金の需要が拡大した。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁はECBの責務は物価安定 にあるとの認識を示し、域内財政危機の封じ込めで一段の行動を求め る政治家や投資家の声を退けた。

MKSファイナンスの通貨・金属担当取引責任者(ジュネーブ在 勤)、バーナード・シン氏は電話インタビューで、「欧州は危険領域 を脱していない」と指摘。「現物需要は後退したが、金は依然として 安全逃避先だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比0.3%高の1オンス=1725.10ドルで終了した。 週間では3.5%下落。

◎NY原油:続落、シーウェイの方向逆転では不十分との観測

ニューヨーク原油先物相場は続落。北海ブレント原油との価格差 が拡大した。オクラホマ州クッシングとメキシコ湾岸を結ぶ「シーウ ェイ」パイプラインの輸送方向を逆転させても、米中西部の過剰在庫 を削減するには十分ではないとの観測が強まった。

この日のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI) 原油の下げ幅はブレント原油よりも大きかった。WTIとブレントの 価格差は16日に8カ月ぶりの幅に縮小していた。同日には、カナダ のパイプライン運営会社エンブリッジと加工・輸送サービス提供の米 エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズが同パイプラインの輸 送方向を逆転させ、原油をクッシングから湾岸に輸送すると発表した。

PFGベストのアナリスト、フィル・フリン氏(シカゴ在勤)は 「シーウェイパイプラインのニュースに対して市場は過剰反応したと の認識が広がっている」と指摘。「1本のパイプラインでは過剰在庫 を減らすには十分ではなく、方向逆転も必ずしも強気な材料ではない」 と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 日比1.41ドル(1.43%)安の1バレル=97.41ドルで終了。週 間では1.58ドル安(1.6%)と、7週ぶりの下落。12月限はこの 日が最終取引。実質中心限月となった1月限はこの日1.26ドル安 の97.67ドル。

◎欧州株:続落、危機収拾のECBの役割めぐる独仏対立を嫌気

18日の欧州株式相場は続落。米経済指標は予想を上回ったもの の、ユーロ圏債務危機を収拾する上での欧州中央銀行(ECB)の 役割をめぐるドイツとフランスの対立が重しとなった。

水処理用の化学製品を手掛けるフィンランドのケミラは急落。業 績見通しの下方修正が嫌気された。英防衛機器メーカーのケムリン グ・グループは14年ぶりの大幅安。同社の通期利益は市場予想に届 かなかった。一方、ドイツのカーボングラファイト製品メーカー、S GLカーボンは値上がり。同社にBMWが15%出資したことが手掛 かりとなった。

ストックス欧州600指数は前日比0.8%下落の232.17で終 了。今週は3.7%下げた。イタリアとスペインの借り入れコストが 急上昇したことが背景で、フランスは高債務国救済の頼みの綱として ECBを活用する提案を17日に示したが、ドイツはこれを拒否。メ ルケル独首相は最後の貸し手としてのECB利用を、ユーロ共同債や 「急ごしらえの債務削減」と共に機能しない提案の例に挙げた。

スピロ・ソブリン・ストラテジーのマネジングディレクター、ニ コラス・スピロ氏は電子メールで、「ここまでの規模で一気に失われ た信頼感を取り戻せるのは相変わらずECBだけだ」と指摘。「それ でもイタリアやスペイン債市場への介入が限定的かつ散発的なものに とどまる期間が長期化すれば、それだけ危機悪化がエスカレートする リスクは高まる」との見方を示した。

ストックス欧州600指数は一時、1.2%値下がりしたが、この 日発表された10月の米景気先行指標総合指数(LEI)が前月比

0.9%上昇と市場予想を上回る伸びを示すと、下げ幅を縮めた。

この日の西欧市場では、18カ国中15カ国で主要株価指数が下 落。危機の震源であるギリシャでは同日、パパデモス新政権が2012 年予算案を承認したほか、イタリアでは下院がモンティ新内閣を信任。 ECBの買い支えがあったもようで、スペインとイタリア債相場は上 昇した。

ケミラは14%下落の8.40ユーロで終了。ケムリングは13% 安の421.6ペンス。SGLカーボンは1.2%高の43.68ユーロで 取引を終えた。

◎欧州債:スペインとフランス債上昇、ECBが購入との観測

18日の欧州債市場でスペインとイタリアの国債が上昇。欧州中 央銀行(ECB)が5日連続で国債を購入し、この日は両国債を買い 入れたとの見方が手掛かりとなった。週間ベースでは下げて終えた。

スペイン2年債が8営業日ぶりに反発。フランス国債のドイツ国 債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は3日連続で縮小した。欧 州の当局者らは欧州中央銀行(ECB)が国際通貨基金(IMF)に、 ユーロ圏諸国救済のための資金を貸し付ける仕組みについてIMFと 協議を開始する可能性があると、ダウ・ジョーンズ(DJ)通信が報 じた。

ドイツ国債は週間ベースでマイナスとなった。日本の投資家がド イツ債やフランス債の残高を減らしたとの統計が売り材料。

バイエルン州立銀行のシニア債券ストラテジスト、マリウス・ダ ハイム氏(ミュンヘン在勤)は「周辺国債券にせよ、ドイツ国債にせ よ」ECB国債購入の「観測に基づいて取引されている」と述べ、 「ECBが市場に踏み込んでしまえば、ドイツ債には売り材料となる」 と続けた。

ロンドン時間午後4時32分現在、イタリア10年債利回りは前 日比21ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の

6.63%。前週末比では18bp上げた。同国債(表面利率4.75%、 2021年9月償還)価格はこの日、1.335上げ87.335。

2021年9月償還のスペイン国債利回りは前日比11bp低下

6.38%。2年債利回りは6bp下げて5.43%。

取引について知る関係者5人によると、ECBはこの日、イタリ ア国債を購入した。関係者3人は、スペイン国債も買い入れたと述べ た。ECB報道官は電話での問い合わせに対してコメントを控えた。

一方、独10年債利回りは7bp上昇し1.96%。フランス10 年債との利回り格差(スプレッド)は25bp縮小し150bpとなっ た。オーストリア10年債に対しては25bp縮まり144bp。

ECBの政策委員らが同中銀の国債購入の上限を週当たり200 億ユーロとすることで合意したとのドイツ紙フランクフルター・アル ゲマイネ(FAZ)の報道で、ドイツ国債は上昇する場面もあった。

◎英国債:10年債は下落、週間ベースでは3週連続高

18日の英国債市場では、10年債利回りが前日比2ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)上昇し2.25%となった。一時は 6bp下げ2.17%となる場面もあった。11日の2.29%を下回り、 週間ベースでは3週連続の低下。

2年債利回りは前日比2bp低下の0.48%。前週末は0.54% だった。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率) はプラス15%。これに対しドイツ国債はプラス8.3%、米国債はプ ラス9.4%となっている。

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