日本株反落、欧州債務懸念で金融や輸出中心下げ-みずほ100円割れ

東京株式相場は反落。スペインの 入札不調を受けた欧州債務問題拡大への懸念から、東証1部全33業種 中、水産・農林を除く32業種が下げた。業種別下落率上位には証券、 保険、銀行、その他金融の金融セクターがそろって並び、みずほフィ ナンシャルグループは100円の大台を割れ、52週安値を更新した。

TOPIXの終値は前日比7.73ポイント(1.1%)安の719.98、 日経平均株価は104円72銭(1.2%)安の8374円91銭。

りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・ストラテ ジストは、「金融機関の貸し渋りで、今後は景気の悪化が予想される。 金融危機に向け、これから状況の悪化が加速していく入口に差し掛か った」と見ていた。

きょうの日本株は朝方から売りが先行する展開となり、TOPI Xは終値でことし安値を更新。一方、日経平均の下げ幅は120円安の 8359円まで下げ、10月5日に付けた直近の日中安値8343円に接近。 終値では年初来安値の8374円13銭(9月26日)にあと78銭の水準 まで迫った。

スペイン政府は17日に10年債入札を実施したが、需要は低下し、 調達額は目標上限の40億ユーロに届かなかった。入札不調を受け、ス ペイン10年債利回りは7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 上げ6.48%。一時は6.78%まで上昇した。

フランスも証券や国債の入札を実施。借り入れコストが上昇した ことから、仏10年債のドイツ債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド) はユーロ導入後初めて200bpに達した。クレジット・デフォルト・ スワップ(CDS)市場では、スペインとフランスの国債を保証する コストが過去最高を記録した。

危機が中心国に波及、金融が下落率上位

「債務危機の広がりがスペインやフランスなどユーロの中心国に まで及んできた」と、野村証券の若生寿一シニアストラテジストは言 う。軽いリスク回避なら、通常は資金の退避先となる金価格まできの うは下落し、「リスク回避の動きは強まっている」と見る。米国株オプ ションの指標で、投資家の不安心理を示すシカゴ・ボラティリティ指 数(VIX)は17日に前日比3%上げ34.51と、4日連続で上昇した。

東証業種別33指数では、証券・商品先物取引が値下がり首位とな り、保険、その他金融、銀行など金融セクター、不動産株が下落率上 位に入った。みずほFGは100円を割り込み、MS&ADインシュア ランスグループホールディングスなど保険株も52週安値を付けた。

かざか証券の田部井美彦市場調査部長は、「欧州の金融混乱による 増資圧力から、欧州金融機関は海外資産を換金して自国に資金を戻そ うとしている」と指摘。日本を含め、株式など金融資産の下落が予想 され、「金融株には収益面への影響がこれから出てくる」と警戒感を示 していた。金融市場の混乱は、銀行による不動産への融資や出資にも 影響しそうと同氏は言い、きょうは不動産株も売られた。

輸送用機器下げる、アジア株軟調

海外景気への懸念からトヨタ自動車が52週安値となるなど、輸送 用機器の下げもきつい。クレディ・スイス証券では、自動車部品セク ターの投資判断を「オーバーウエート」から「マーケットウエート」 へ下げた。2013年3月期以降もトヨタ自動車系サプライヤーの値引き の影響を見込むとし、デンソーとアイシン精機の投資評価を「アウト パフォーム」から「ニュートラル」へ引き下げ、トヨタ紡織や豊田合 成は目標株価を下方修正した。4社はそろって52週安値を更新。

豪AMPキャピタル・インベスターズの投資戦略責任者、シェー ン・オリバー氏は「欧州の債務問題は明らかに続いている。懸念は、 欧州が深い景気後退に陥る、あるいはすでに陥っているというところ にあり、債務問題を悪化させることになる」と話した。

この日は中国、香港などアジア株も総じて軟調だった。中国銀行 業監督管理委員会(銀監会)は銀行に対し、地方政府が後ろ盾となっ ているプロジェクトの一部は資金が枯渇する可能性があり、不動産開 発業者向け融資はこれら業者の販売ペース鈍化で焦げ付く恐れがある、 と警告した。事情に詳しい関係者1人が明らかにした。

このほか、海運や非鉄金属、鉄鋼株なども下落。東証1部の売買 高は概算で14億5075万株、売買代金は同9357億円。値上がり銘柄数 は430、値下がりは1073。

東証1部の売買代金首位で急落したオリンパスをめぐっては、同 社が数十億ドルの損失隠しで犯罪組織と協力していなかったかどうか、 日本の当局は捜査していると米紙ニューヨーク・タイムズが報道。ま た共同通信が午後の開始直前に報じたところによると、東京地検特捜 部が損失先送りへの関与を認めた菊川剛前会長兼社長ら旧経営陣3人 ついて、今週末にも任意で事情聴取する方針を固めたという。

--取材協力:野原良明  Editor:Shintaro Inkyo

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