オリンパス元専務:ウッドフォード氏復帰へ署名活動-内視鏡も影響

オリンパス元専務の宮田耕治氏 (70)が、解職されたマイケル・ウッドフォード氏の社長復帰を求め る署名活動を展開し、社員やOB計356人の同意を取り付けた。オリン パスが世界シェアの7割を握る内視鏡の新規納入を断る病院も出てきた として、同氏復帰を通じた経営改革の必要性を訴えている。

17日に都内で、ブルームバーグ・ニュースのインタビューに応じ た。宮田氏は11日に署名集めサイトを開設。アクセス殺到でサーバー が13日にダウンしたが、それまでに270人が実名で賛同。ほかに匿名 で86人が同意した。匿名の大半は現役の社員だという。

宮田氏はウッドフォード氏について「従業員の声を集め、経営陣が 復帰を認めるよう働き掛けたい」と強調。雑誌「FACTA(ファク タ)」の今夏の疑惑報道で「不正が明らかになった後、取締役としての 責任を果たした」のは同氏だけだと述べた。

宮田氏はオリンパスの医療事業子会社の社長も歴任しており、同事 業の経験が長いウッドフォード氏とは、25年来の知り合いだという。 現在は同氏と直接、連絡を取ってはおらず、仮に宮田氏が同社復帰を依 頼されたとしても、その意思はないと語った。

ウッドフォード氏については大株主ハリス・アソシエーツのデービ ッド・ヘロー最高投資責任者も8日、再建のため社長に復帰すべきだと の見解を示していた。同社では1990年代からの財テクの損失隠しが発 覚。宮田氏は95年から2006年まで取締役を務めていた責任を「否定す るつもりはない」と述べた。損失隠しは「知らなかった」と語った。

宮田氏の活動に関しては、高山修一社長が15日付の社内向け文書 で「雑音」と評し、惑わされないよう従業員に要請。これに対し宮田氏 は「社内で自浄作用を働かせてほしい」と述べている。

内視鏡購入中止の例も

宮田氏はオリンパスの内視鏡の新規納入をキャンセルする例が出て きたと指摘。実際に岡山大学病院光学医療部の河原祥朗医師(46)は 17日、ブルームバーグ・ニュースの電話取材に対し、「一連の報道や オリンパスからの発表を見て、11日に同社からの内視鏡購入をやめよ うと決断した」と述べた。

同医師はウッドフォード氏解職でオリンパスの印象が「最悪」へと 様変わりしたと説明。患者の支払いなどを基にしている購入資金は「半 分、公共的なお金」であり、イメージの悪化した同社に払うには抵抗が ある、とも強調した。岡山大病院が現在保有する内視鏡9台のうち、8 台はオリンパス製という。

医療事業については高山社長も17日の社員向け文書で、顧客の声 を紹介。ある病院では「このような不祥事を起こすメーカーの製品をい ま、導入して良いのか」との院長の判断で、オリンパス製品の導入が見 送りになった例があることを明らかにした。

ただし、別の医師からは「耐えて耐えて、次の発展を期してくださ い」とエールを送られた、という。高山氏の社内向け文書は15日、17 日付ともに、ブルームバーグ・ニュースが入手した。

18日のオリンパス株価は大商いの中を5営業日ぶり反落。前日比

7.5%安まで売られている。ただ、上場維持観測の広がりから過去4日 間で株価が2倍近い水準となる急変動の後とあって方向感は定まらず、 一時は小幅高に転じた。

取材協力:沢和世

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE